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日本の万引き被害額は世界ワースト2位!? なぜ人は物を盗むのか――『万引きの文化史』

51QWSrNegvL._SL500_.jpg『万引きの文化史』(太田出版)

 世界でも類を見ない安全大国「日本」。財布を落としても、警察に届ければ中身もそのままの状態で戻ってくることはよくあるし、酔っ払って気持ちよーく道路で寝転んでいても、身ぐるみはがされることもない。

 そんな平和な国にもかかわらず、日本の万引き被害額は2011年で4,500億円以上。なんと、世界ワースト第2位なのだ。「物価が高い」ということももちろんあるが、驚くべき結果だ。 

 『万引きの文化史』(太田出版)は、2011年に『The Steal:A Cultural History Of The Shoplifting 』(The Penguin Press)というタイトルでアメリカで発売された邦訳本。北米や欧州など、西洋の万引きの歴史などをはじめ、罪と罰、“道徳的”万引き犯など、いろいろな視点から万引きという行為について深く掘り下げ、学術的にまとめている。
 
 残念だが、万引きは「小学生の頃は、よくやってたなー」などと、別に悪びれもせず話す人がいるほど、わりと罪の意識が低い犯罪だ。物があれば盗む人がいる。それは古代から変わらないようで、本書によれば、紀元前2500年、世界最古の法令「ハムラビ法典」でも、物を盗んだ者に対する罰について記されているほどだ。

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