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【報道ピックアップ】「会話についていけなくなる前に」

構築費1億円で監督不要!? 日ハム優勝の秘密・選手評価システム

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

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構築費1億円で監督不要!? 日ハム優勝の秘密・選手評価システム – Business Journal(11月2日)

nitihamu1101.jpg「北海道日本ハムファイターズ公式HP」より

 日々忙しいビジネスマン&ウーマンに代わり、世に溢れるメディアの中から、知れば“絶対に”人に話したくなる報道や記事を紹介。日常でなんとなく耳にするあのニュース・情報の裏側や、テレビなどでは報じられないタブーに迫ります!

【今回ピックアップする記事】
『「日本ハムモデル」勝てる組織はこう作る』
(「週刊現代」<講談社/11月3日号>)

 みなさんは、映画『マネー・ボール』(2011)をご覧になりましたか? ブラッド・ピット主演の野球映画で、いわゆるチームのGM(ゼネラルマネージャー)の仕事にスポットライトを当てた作品です。単なる野球映画ではなく、組織のマネージメントという側面もありビジネスマンにもヒットしました。

 さて、日本のプロ野球では現在日本シリーズが盛り上がっていますが、先日行われたドラフト会議でもさまざまなドラマが待ち受けていました。今年のドラフトで一番盛り上がった瞬間は、3年時に甲子園春夏連覇を達成し、4球団が競合した大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎投手を、1位指名競合抽選12連敗中だった阪神タイガース(PL学園の4番打者だった“番長”清原を抽選で外して以来)が引き当てた瞬間でしょう。阪神の和田豊監督は両手を上げてガッツポーズを取り、喜びを全身で表現していました。

 その次が、高校野球地方予選で高校生最速となる160kmを出し、卒業後にアメリカメジャーリーグ行きを宣言している岩手花巻東高校の大谷翔平投手を、北海道日本ハムファイターズが単独指名した瞬間だったのではないかと思います。1位指名された大谷投手に笑顔はありませんでした。また日ハムの栗山英樹監督も、指名後の会見で「申し訳ない」と謝罪の言葉から始まったところなど印象深かったですね。大谷投手を日ハムが指名したことに対して、「メジャーに行かせてやれよ!」などの批判もあるといわれています。

 それでは、なぜ日ハムはメジャーリーグ行きを宣言している選手を、野球ファンからバッシングされるリスクを負って、強行指名したのでしょうか? ちなみに日ハムは、昨年も巨人入団を希望していた原辰徳監督の甥っ子の東海大学に所属していた菅野智之投手を巨人と抽選で争い、当たりクジを引くも入団を拒否されています。他球団に対する嫌がらせか、それともドラフト制度に一石を投じたいのか……。

 しかし、そのどれもが違います。日ハムは「その年で一番いい選手を1位指名する」という一貫したポリシーのもと、ドラフト指名選手を決定しているんです。ではどのようにして、一番いい選手を決定するのでしょうか。そこで必要となるのが、「週刊現代」(講談社)で明かされた選手の能力を、多角的に数値化する「ベースボール・オペレーション・システム(通称BOS)」という選手の評価システムです。

 BOSは「安打より出塁を重視」「盗塁・犠打は評価しない」など、これまでの常識とは全く違う査定基準をアルゴリズムとして持っています。このシステムは映画『マネー・ボール』にも登場しており、日ハムは05年から約1億円の予算を投じて構築したそうです。このシステムで評価した“いい選手”を日ハムは、ドラフトで指名しているだけなんですね。もちろん、これはドラフトの選手だけではなく、日本ハムファイターズに所属している選手たちもこのシステムで評価され、それに準じた選手起用をされているということになります。

 今年、開幕戦で投手が斎藤佑樹投手になったのも、チームの中心である4番打者に中田翔選手を固定されたのも、全てBOSで弾き出されたデータを元に考えられたオーダーなのです。さらに「現代」によると、日ハムの首脳陣は毎試合、必ず2回のミーティングを行っており、試合後の反省会では監督とコーチ、それからBOSを統括するチームで、次の試合のオーダーを決定するそうです。その結果、今シーズンの日ハムは、90通り以上の先発オーダーの組み替えを行いました。つまり、全てはデータを基に客観的に判断されたことであり、極端な言い方をすると、監督が変わったくらいでは、弱くなるはずのないシステムを構築しているということです。

 さらに、このシステムの凄さは現有選手の戦力を全て把握しているため、余剰選手がなくなるところにあります。それは、日ハムの「支配下選手の少なさ」を見ても明らかです。日本プロ野球機構が定める支配下選手数の上限は70名。さらに、育成選手として別枠で登録が可能なため、支配下選手数が少ない球団の選手数でも実質80名近くに達します。しかし、日ハムはわずか66名(2012年シーズン)、しかも育成選手は0名です。これは、もの凄く効率的にスタッフィングができているということにほかなりません。

 ここまでご説明すればおわかりだと思いますが、現在の日ハムの組織マネージメントは、一般企業にも当てはまることではないでしょうか。現在多くの企業は大学生たちをひとくくりにし、採用しているところが多いです。しかし、そのような採用方法で本当に優秀な人材を見つけることができるかといえば、宝くじで当たるかのような低い確率でしかありません。また、個人の能力を鑑みずに配属先を決めている企業は、今後先細りする可能性が高いでしょう。
 
 そうならないためには、日ハムが取り入れているBOSクラスの素晴らしい人事評価システムが必要です。しかし、そのようなシステム(制度)を持っている企業が日本にどれほどあるのでしょうか? 大企業では未だに派閥査定や、または上司の気分しだいで査定されるなど旧態依然としたシステムがまだまだ存在しているようにも思えます。

 今後、強い企業へと生まれ変わるためには自社に必要なスペックを持っている人材を見分ける採用を行い、さらにその人材を育成し、適所に配属することこそが必要なことではないでしょうか?

 そんな世知辛いサラリーマン生活の中で、日ハムの試合を見たり、映画『マネー・ボール』を見たりして、組織論を熱く語っているビジネスマンは、意外にイケてる気がするのですが、いかがでしょうか!? これで、現在開催中の日本シリーズで、優勝でもしてくれれば、このシステムの凄さがさらに証明されるんですけど、今日(10月29日)時点で巨人に2連敗中なので、ちょっと残念です。この記事が掲載される頃には結果が出ているんでしょうかね?(笑)
(文=アラキコウジ/ネタックス

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最終更新:2013/02/12 11:41
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