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原作に惚れ込んだ井筒和幸監督が満を持して映画化!『黄金を抱いて翔べ』

ougon_main.jpg(c)2012『黄金を抱いて翔べ』製作委員会

 今週紹介する新作映画3本は、ジャンルこそ違えど、スケールの大きな世界観とスリリングな展開でずっしりと見応えある力作ぞろいだ。

 11月2日公開の『のぼうの城』は、第29回城戸賞を受賞した和田竜の脚本『忍ぶの城』を、野村萬斎主演で描くスペクタクルな時代劇。豊臣秀吉(市村正親)が天下統一を目前に控えていた頃、最後の敵対勢力となった北条勢の支城、武蔵国の忍(おし)城には、「のぼう様(でくのぼうの意味)」と領民から慕われる城代・成田長親(野村)がいた。石田三成(上地雄輔)が率い、忍城を包囲した豊臣勢2万人の大軍に、長親はわずか500人の軍勢で戦いを挑む。 

 『ジョゼと虎と魚たち』(2003)など人間ドラマを得意とする犬童一心監督と、特撮監督出身で『ローレライ』(05(などを手がけた樋口真嗣監督が、それぞれの持ち味を出し合った共同監督作。狂言師・野村萬斎のユーモラスな所作とひょうひょうとした存在感が見事にハマった。佐藤浩市、成宮寛貴、榮倉奈々、山口智充、山田孝之、尾野真千子ら豪華共演陣の熱演も見どころだ。

 11月3日に封切られる『黄金を抱いて翔べ』は、銀行地下金庫からの金塊強奪という大勝負に賭ける男たちを骨太に描くクライムエンタテインメント。過激派らを相手に調達屋をしてきた幸田(妻夫木聡)は、大学時代からの友人・北川(浅野忠信)から大阪のメガバンクの地下にある巨額の金塊を強奪する計画を持ちかけられる。2人は、銀行担当システムエンジニアの野田(桐谷健太)、元北朝鮮スパイのモモ(チャンミン)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、元エレベーター技師のジイちゃん(西田敏行)を仲間に加え、緻密かつ大胆な作戦を決行する。

 高村薫が日本推理サスペンス大賞を受賞した1990年のデビュー小説を、発表時から惚れ込み企画を温めてきた『パッチギ!』(05)の井筒和幸監督が満を持して映画化。ヒゲ面の妻夫木と角刈りの浅野、男臭さあふれるルックスの2人を中心に繰り広げられる、友情と裏切り、駆け引きと陰謀の行方から目が離せない。北川の妻を演じた中村ゆりの優しく儚い美しさも印象に残る。

 現在公開中の『リンカーン 秘密の書』(2D/3D上映)は、奴隷解放で知られる19世紀の米大統領エイブラハム・リンカーンが実はバンパイアハンターだった、という奇想天外なストーリーが展開するアクション超大作。リンカーンは少年時代に母親をバンパイアに殺され、復讐のため戦闘術を学ぶ。やがて成長したリンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は、バンパイアが奴隷制度を隠れ蓑(みの)に『食事』を得ていることを知り、昼は政治家として奴隷解放を訴え、夜は斧を手にしたハンターとしてバンパイアと戦うようになる。

 監督は、『ウォンテッド』(08)のスタイリッシュなアクション表現が記憶に新しいティムール・ベクマンベトフ。製作は、自身の監督作『ダーク・シャドウ』(12)でもバンパイア物を手がけたばかりのティム・バートン。ハイライトの戦闘アクションは、屋敷の舞踏会場での接近戦、大群で暴走する馬の上でのダイナミックな戦い、炎上する列車と崩れ落ちる橋を舞台にした最終決戦と、どれも斬新で迫力満点。ヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッドも、シックな衣装をまとい大人の魅力を漂わせている。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『のぼうの城』作品情報
<http://eiga.com/movie/55578/>

『黄金を抱いて翔べ』作品情報
<http://eiga.com/movie/57792/>

『リンカーン 秘密の書』作品情報
<http://eiga.com/movie/57475/>

最終更新:2012/11/02 21:00
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