今夜、ブラジル戦へ──強豪フランスを撃破したザッケローニに求められる“世界仕様”戦術とは
#サッカー
(光文社)
12日、サッカー日本代表がアウェーで行われたフランスとの強化試合で1-0と勝利した。6度目の対戦での初白星だけに、“歴史的勝利”といってもいいだろう。
今回の遠征試合は日本代表が世界の一線級の代表チームにどれだけ通用するのかを測る試金石だったが、格上の相手に押し込まれるという展開は、過去の対戦とそう変わらなかった。
「特に前半は、アフリカ系選手の強さとスピードに圧倒されていましたね。GKの川島永嗣(スタンダール・リエージュ)のファインセーブがなければ大量失点を喫して、11年前に同じスタジアムで戦った5-0の大惨敗の再現になるところでした。ただ、現在のフランス代表はかつてほど強くはないし、日本代表には香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)や長友佑都(インテル・ミラノ)といった世界的な超名門クラブでレギュラーを張るメンバーも揃っているわけですから、11年前とは違います。以前なら、相手に押し込まれると守勢一方で、よくて引き分け、下手すると大量失点でしたが、今じゃカウンターで点を取ることができますからね。その意味では、以前の日本代表に比べて一日の長がありますよ」(サッカー誌記者)
とはいえ、アジアの国相手では圧倒的な強さを誇る日本代表も、欧州や南米のトップチームが相手では分の悪さは否めないところ。W杯アジア最終予選の突破が現実味を帯びてきた今、アルベルト・ザッケローニ監督には“アジア仕様”のチームから“世界仕様”のチームへのバージョンアップが求められる。
「今回はワントップの前田遼一(ジュビロ磐田)がケガで離脱したため、ハーフナー・マイク(フィテッセ)がFWに起用されましたが、まったく通用しなかった。そうなると前田以外にワントップを任せられる選手はいないので、オプションの戦術が必要になってきます。今回、これまで選出してきたFWとはタイプの異なる佐藤寿人(サンフレッチェ広島)を選出したわけですから、次のブラジル戦では彼を起用してほしいですね。なんといっても、Jリーグで得点ランキングの首位を走る選手なんですから」(同)
そうはいっても、ザッケローニ監督の戦術的なバリエーションのなさや保守的でかたくなな采配は、一部のサポーターらの批判の的となっている。16日にはブラジル代表と試合が控えているが、フランス以上の強敵であるだけに、采配やメンバー起用など、ザッケローニ監督の手腕がより求められる。新戦力も試すことなく、従来通りの采配を繰り返すのであれば、W杯本戦に向け、監督交代も視野に入れるべきだろう。ブラジル戦は勝敗もさることながら、試合内容にも注目したいところだ。
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