「高度経済成長の思わぬ弊害!?」中国で機上の暴力事件が多発するワケ
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9月30日からの8日間、中国は建国記念日に当たる国慶節にちなんだ大型連休となった。しかし、帰省や旅行などで延べ7億人が移動したといわれている連休期間中は、リラックスムードというわけにはいかなかった。
10月6日、南寧発武漢行きの四川航空機内で3人の男による乱闘騒ぎが発生した。きっかけは、ある乗客が頭上の荷物を取り出そうと、土足で別の乗客の座席を踏み台にした上、その乗客の足にぶつかったことだという。その後、座席を踏み台にされた乗客にさらに別の乗客が加勢し、1:2の殴り合いとなったという。
四川航空では9月にも、サイパン発上海行きの機内で、中国人による乱闘騒ぎが発生している。前の乗客に座席の背もたれを倒された後方の乗客の怒りが爆発し、双方の仲間も加勢して、大乱闘となったのだ。
同月には、チューリッヒ発北京行きの機内でも、中国人同士による背もたれを巡るトラブルが起きたばかりだった。当初は、酒に酔った2人の間で勃発した小競り合いだったが、周りの乗客も加勢し手をつけられない状況となったため、同機はチューリッヒへと引き返した。さらに原因となった2人は現地警察に引き渡されるという結果となってしまった。
機上の人となると、ついつい粗暴になってしまう中国人。その理由について、広東省ブロック氏社会部記者はこう話す。
「中国では10年ほど前までは、飛行機は限られた人しか乗れない憧れの乗り物だった。その後、経済成長によって購買力が向上し、一般庶民も飛行機に乗ることができるようになったが、航空業界はいまや、ローコストキャリアの台頭に見られるコスト削減の時代。狭い席にぎゅうぎゅう詰めにされ、機内食も粗末。憧れの乗り物にようやく乗れたのに期待外れの扱いを受け、殺気立ってしまう乗客が多い。トラブルを起こす乗客の多くは、飛行機に初めて乗ったという人たちです」
こうしたトラブルを防ぐため、景気のいい中国人はぜひ、ビジネスクラス以上の席に乗っていただきたいものだ……。
(文=牧野源)
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