「出るか、ウルトラC!」幸福の科学『神秘の法』が予言する領土問題の行く末
#映画 #宗教 #幸福の科学
尖閣諸島や竹島問題など近隣諸国による領土問題で、がぜん盛り上がりを見せる日本の国防論だが、もし中国が本気を出して日本の領土に侵入してきた場合、そして日本がチベットなどと同じように占領されてしまった場合、わが国はどのようになってしまうのだろうか?
そんな非常にセンシティブな話題にズバリと切り込み、最悪な事態をいかに回避すべきかを大胆にシミュレートした問題作が、先週末に公開されたばかりの映画『神秘の法』である。
経済的・軍事的な超大国となった東アジア共和国でクーデターが発生。軍部出身のタターガタ・キラーを皇帝とする 「帝国ゴドム」が、日本を侵略した後、占領。言論・信教の自由がなくなった日本において、主人公・獅子丸翔が世界平和を目指して帝国に戦いを挑む、というあらすじの本作は、宗教団体・幸福の科学の同名の教典を題材としたアニメーション映画だ。
冒頭に述べた通り、序盤で日本が東アジアの大国(公用語が中国語と設定されているあたり、どう考えても中華人民共和国を想定しているとしか思えない)に日本海側から侵攻されるという衝撃的なシーンが描かれる。以前なら「何をバカな」と苦笑してしまいそうな展開だが、尖閣諸島における衝突などかの国の強硬な対日政策を見た後だと、ある程度の説得力があるようにも思えなくもない。
これまでも『コードギアス』や『ギルティクラウン』などのSFアニメでも日本が他国に占領されてしまう様子が描かれてはいたが、序盤のリアルな作風と絵柄も相まってなかなかの迫力と緊迫感がフィルムから感じられるのだ。
ここは『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』などのガイナックス作品に参加したほか、『カウボーイビバップ』などのセットデザインを手がけた今掛勇監督ならではの見せ場といえるだろう。
とはいえ、本作はあくまでエンタテインメント作品である。物語はそこでは終わらず、中盤から怒涛の超展開が待ち構えている。日本の将来を憂う獅子丸翔が出雲で結跏趺坐を組んで瞑想をしていると、木花開耶姫(このはな さくやびめ)が姿を現し「翔はブッダとエル・カンターレ(幸福の科学の本尊)の生まれ変わりだと告げる。すると次のシーンでは、金星人がUFOに乗って登場。帝国ゴドムの黒幕は宇宙人だと明かすのだ。なんじゃそりゃ。ここで宇宙人のオーバーテクノロジー兵器で世界を侵略する帝国ゴドムの秘密を知った獅子丸翔は、国際秘密結社「ヘルメス・ウィングス」を率いて抵抗するようになるのだが、最終的にはタターガタ・キラーの手先である中華風ゾンビ兵軍団と、獅子丸翔が召喚するインド仏教の戦闘神や古代日本の兵士たちが激突。さらにタターガタ・キラーの化身である黒龍と日本を守るヤマタノオロチが空中大決戦を展開する。日中の英霊が激突する、さながら「スーパー神仏大戦」とでもいうべき一大スペクタクルが繰り広げられるのだ。
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