文春の連続安打はいつまで続く? 元・名物編集長が選ぶ、夏の合併号ベスト3
#雑誌 #出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
<夏の合併号ベスト3>
第1位
「週刊ポスト」(8月17日・24日号)
第2位
「週刊文春」(8月16日・23日号)
第3位
「週刊新潮」(8月16日・23日号)
<スクープ大賞ベスト3>
グランプリ
「怒りのスクープ! 米兵レイプ犯を逮捕させない日本政府」(「週刊文春」)
第2位
「『テレビ朝日』看板番組の裏の顔『報道ステーション』は闇金融に手を染めた」(「週刊新潮」8月16・23日号)
第3位
「特別読み物 夏祭りからテキヤが消える」(同)
夏の合併号が出揃った。ロンドン・オリンピックに話題をさらわれたためか、全体に地味な作りになっていたが、その中ではポストが硬軟の記事のバランスがよく“お得”感が際立っていた。「橋下維新『総選挙候補888人』全実名を公開する」はイマイチだったが、巨人軍の主砲、阿部慎之助捕手(33)のスクープ激撮「阿部と巨乳アイドル『不倫の配球』」は暑気払いに格好の読み物になっていた。カラー「袋とじ」は女性器をかたどった芸術作品だが、圧巻。このところおなじみの「謎の美女YURIへの恋文」はやや迫力不足だが見て損はない。
ポストのライバル誌である現代は「3年で富士山は噴火する そのときに備えたほうがいい」と警鐘を鳴らしている。だが、全体に月刊誌かと見紛う作りで週刊誌らしさがなくなってきているのが気になる。同じように、たぶん久しぶりの合併号になる週刊朝日も、このところ元気がない。文春は相変わらずスクープが続いているし、新潮もスマッシュヒットをかっ飛ばしている。文春がどこまで連続安打を延ばせるのか、楽しみである。
第3位は、新潮のノンフィクション・ライター溝口敦の特別読み物。
夏といえば縁日、縁日といえばテキヤ、テキヤといえば寅さんというのが通り相場だったが、このところ祭礼、花火大会からテキヤが締め出されて、生活苦から自殺者まで出しているというのだ。テキヤでも家族総出で働けるのは親方クラスで、若い者はハナから結婚もできず女房子供も養えないそうだ。
「月20万円稼げれば、若い者も一家に残ります。現実は月10万ですよ。だから若い者が残らない。年間稼げる日は80~100日。仕込みとか準備の日も入れて130日。手伝いの若い者を手子(てこ)というんですけど、手子に1日1万2000円払っても、均せば7000円ぐらいにしかならない。これじゃ所帯持つのは不可能です」(都内のテキヤ幹部)
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