巨匠・コッポラ監督作からハロプロ初主演作まで 猛暑も吹っ飛ぶ、納涼映画3連発!
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夏休み映画に欠かせない納涼ジャンルといえばもちろん、予想のつかない恐怖に肝を冷やしてゾクゾクするホラー映画。というわけで、今回は8月上旬に封切られるオススメのホラー新作3本を取り上げたい。
『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(公開中)は、南極大陸の隔絶された基地で研究者らが遭遇する恐怖を描くSFホラー。南極の氷の中で太古の生命体が発見され、米国の考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が調査のためにやって来た。氷漬けの状態で基地に運び込まれた生命体はその夜、氷から飛び出し、人間を襲い始める。その“物体”は、接触した相手の細胞を複製して人間になりすまし、突如恐ろしい姿に変形して新たな標的を攻撃。ケイトと隊員らは、誰が乗っ取られているのかすら分からず疑心暗鬼に陥り、絶望的な状況で敵との戦いを強いられる。
SF映画の古典『遊星よりの物体X』(51)を、ホラー界の巨匠ジョン・カーペンター監督がリメイクした『遊星からの物体X』(82)。その前日譚として製作されたのが本作だ。長編デビューとなるマティス・バン・ヘイニンゲン・Jr監督は、カーペンター版で後のホラー作品に大きな影響を与えた特殊メイクのインパクトを尊重しながら、最新のCG技術で異形のクリーチャーに変身する過程を衝撃的かつグロテスクに表現。寒々とした空間、孤立した環境で、仲間の中に潜む偽物を必死で探そうとする緊迫のシーンも、過去作の雰囲気を巧みに再現した。『ファイナル・デッドコースター』(06)の絶叫クイーンで世界に注目され、『ダイ・ハード4.0』(07)、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10)で演技の幅を広げてきたウィンステッドが、本作では知的な大人の魅力でヒロインに扮している。
フランシス・フォード・コッポラ監督の最新作『Virginia/ヴァージニア』(8月11日公開)は、『モルグ街の殺人』などで知られる19世紀の小説家エドガー・アラン・ポーをモチーフに描くホラー風味のゴシックミステリー。次回作に悩む小説家ホール(ヴァル・キルマー)がサイン会のために訪れた郊外の街では、身元不明の少女が胸に杭を打たれ殺されていた。保安官に殺人の謎解きと小説の共著を持ちかけられたホールは、夢の中で謎の少女ヴィー(エル・ファニング)とエドガー・アラン・ポーに導かれながら、現在と過去に街で起きた事件の秘密に迫っていく。
『ゴッドファーザー』3部作や『地獄の黙示録』(79)といった大作で有名なコッポラ監督だが、92年の『ドラキュラ』以来2度目のバンパイア物でもある本作は、インディペンデント作品に近いパーソナルな雰囲気が特徴。モノクロに近いダークブルーの色調で表現された月明かりの夜に、ファニングのイノセントではかない美しさが映える。ダコタ・ファニングの妹で、『SOMEWHERE』(10)、『SUPER 8 スーパーエイト』(11)、『幸せへのキセキ』(11)と話題作への出演が続く彼女が、霊的な役どころで新境地を開いている点も見どころだ。
邦画ホラーの注目は、ハロー!プロジェクトの人気アイドルグループ、スマイレージが主演する『怪談新耳袋 異形』(8月11日公開)。新人アイドルのシオリ(和田彩花)がグラビア撮影で訪れた山奥の旅館で女の霊に襲われる「おさよ」、アイリ(竹内朱莉)とハルカ(勝田里奈)の姉妹が自宅で真っ赤な怪人に遭遇する「赤い人」、両親と部屋を替えたモモカ(福田花音)が古い三面鏡に映った謎の老婆に追いつめられる「部屋替え」と、これら3話の前日譚として、シオリのデビューを祝して廃墟に集まったミサキ(田村芽実)ら6人組が体験する恐怖を描く「和人形」の計4話で構成される。
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