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谷川俊太郎meetsニャル子さん!? 朗読イベント「こえサイファー」で現代詩と声優が邂逅

asafuki.jpg「緊張感があった」と語った作家・朝吹真理子。

 去る6月10日、現代詩の朗読イベント「こえサイファー vol.1」が、文京区シヴィックホールで開催された。出演者は、声優の阿澄佳奈、後藤沙緒里、ニコニコ動画などで人気の“歌い手”miko、ななひら、音楽家の吉田アミ、大谷能生、詩人・谷川俊太郎(ビデオ出演)、小説家の朝吹真理子。イベントのメインは、阿澄佳奈、後藤沙緒里、miko、ななひらによる詩の朗読だ。作品は詩歌の投稿SNS「しいか.com」で公募され、文芸批評家の坂上秋成、小説家の間宮緑らが選定。投稿者は4人の中から朗読してほしい人を選べるシステムで、彼女たちのファンからの応募も多かったのではないだろうか。公募作品のほかには、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」などの歴史的名作の朗読も行われた。

 ちなみに、イベント名にも入っている「サイファー」とは、ラッパー数人が集まって路上で輪になり、フリースタイルでラップをし合う行為のことだ。そのヒップホップの「サイファー」を詩歌の世界に持ち込み、活動を広めているのが、第45回現代詩手帖賞を受賞した現代詩人の佐藤雄一。2010年4月からこの活動を開始し、これまでに国内15都市超、国外14カ国超で開催されているという(『しいか.com』より)。

ato.jpg明るいキャラのイメージが強い阿澄佳奈が、
この日はしっとり朗読。

 メインの公募作品の朗読は、薄暗い舞台上に置かれたマイクスタンドにスポットライトが当てられ、一作品ずつ丁寧に行われた。声フェチの筆者は4人の声にまず注目していたが、読み上げられる作品はどれも個性的で、気づいたら読み手のことも忘れて聞き入っていた。作品ごとに、MCの武田俊(『KAI-YOU』代表)が選者の解説を読み上げ、詩に馴染みのない来場者でもじっくりと堪能することができたのではないだろうか。

 音楽家の吉田アミと大谷能生による書き下ろし作品の朗読では、60分の作品のうち冒頭の6分ほどが披露された。2人が朗読を始めると、低く渋い声と艶っぽい声が、重なったり、微妙にずれたりと、まさに楽器のセッションのように絶妙なハーモニーを奏でていた。

 以前、代々木公園で開催されたサイファーにも参加していた芥川賞作家の朝吹真理子は、吉増剛造の詩を朗読。「透明に、叙情が入らないように詠みました」と、終演後に振り返ったが、朗読前には不安もあったという。

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