「メダルなんてとんでもない!?」サッカー五輪日本代表に立ち込める暗雲
#サッカー
(ジェネオン・ユニバーサル)
23日から始まったロンドン五輪の前哨戦ともいえるトゥーロン国際大会で、サッカー五輪日本代表のグループリーグ敗退が決まった。同リーグではオランダには勝ったもののトルコとエジプトに敗れ、1勝2敗のグループ最下位という結果で、来るロンドン五輪での目標であるメダル獲得にも暗雲が垂れ込めてきた。
「メダル獲得が目標だなんてとんでもない。そもそも近年の五輪代表は、2000年のシドニー五輪でベスト8に進出した以外は、グループリーグで敗退していますからね。世界的な強豪のオランダに勝ったことを評価する声もありますが、欧州の強豪国は五輪を重要視していないですし、U-23世代でも力のある選手は“飛び級”でA代表に招集されますから、オランダが強豪国といってもU-23世代はそれほど強いというわけではない。日本がボコボコにされたトルコにしても五輪には出場しないし、選手たちの多くはトルコの2部リーグに所属している選手たち。一方のわが五輪代表は大学生もいるものの、多くはJ1に所属するレギュラーだったり、欧州のクラブに所属する選手だったりするわけですが、それがこの体たらくですからね。メダル獲得なんて、図々しいにもほどがあります」(スポーツ紙記者)
今回の敗因は、ひと言でいえば“守備の崩壊”に尽きる。3戦で計7点を献上。前線の選手たちと守備の選手たちの連携がうまくいかなかったために、組織的な守備が機能しなかったのだ。もっとも、この連携不足は理由があって、今回招集された攻撃陣はFW指宿洋史(セビリヤ/スペイン)やFW大津祐樹(ボルシアMG/ドイツ)、MF宇佐美貴史(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)、MF高木善朗(ユトレヒト/オランダ)など、多くがこれまで五輪代表でのプレー経験が少ない欧州組だった。
「A代表の国際Aマッチとは違って、五輪代表の国際試合には拘束力がなく、所属クラブがリーグ戦を優先して、選手が招集されても五輪代表に送り出さなかったので、欧州組はこれまで五輪代表に帯同する機会が少なかった。今回のトゥーロン国際大会では、そうした欧州組と国内組の連携を熟成させるのもひとつの目的だったのですが、予想以上に連携不足がひどかった。かといって今後、連携を深める試合機会もそうそうないですからね。といっても、連携不足以前に、ディフェンス陣の出来自体もひどかったのですが」(同)
ロンドン五輪を前になんとも不安な状況であるが、実は五輪世代には、いまや世界的なスター選手となりプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド入りが確実視されているMF香川真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)や独ニュルンベルクへの移籍が決定しているMF清武弘嗣(セレッソ大阪)、FW宮市亮(ボルトン/イングランド)らA代表の選手たちが存在する。彼らを招集するというのも、ひとつの手ではあるのだが……。
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