もしサブカル界の売れないアイドルライターが大槻ケンヂの『サブカルで食う』を読んだら
#本 #インタビュー #大槻ケンヂ
CDを出したりイベントに出たり文章を書いたりするけれど、とにもかくにも金がない! だけどほかにできることもない! というわけで、4月28日に白夜書房から発売された大槻ケンヂさんの新書『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』(白夜書房)を読んでお話を伺ってきました!
大槻ケンヂ(以下、大槻) 小明ちゃん、CD聴きましたよ、「君が笑う、それが僕のしあわせ」。まっとうないい曲で、パッケージもよくて……PVは河崎実監督が撮ったんでしょ? 面白い映画を撮る方だし、どんどん笑いを突き詰めていったら“小明ちゃんを正統派で撮る”ってところに行き着いたんだなぁ。奇才がゆえに常人にはわかり得ないところに行ったのかなぁ。
小明 えっ、ちょっと何言ってるのかわからないです。本当に普通のアイドルっぽいPVにしようって監督と話し合って、白いワンピース着て水辺でアハハ~ってやってる映像のどこがおかしいのかと……? それはともかく、オーケンさんの新書、『サブカルで食う』を読ませていただいたんですけど、また、なんというか、すごいタイトルで。
大槻 「新書は中身じゃない、タイトルだ!」と思ってコレにしました。中身、サブカルでどうやって食べるかとか、あまり書いてなかったでしょ?(笑)
小明 いやいや、「MCやトークがドンずべりした時はとにかく叫ぶこと」とか、すごく役に立ちましたよ!
大槻 あと、「本番前はほっぺたをぺちぺちやるといい。アレはアドレナリンが出るからね」とか、我ながら何言ってんだ、と思うよね。役に立ちますか?
小明 立ちました、多分! 今回は、どうしてこういう新書を出そうと思われたんですか?
大槻 小明ちゃんもそうだけど、会う人会う人、しょっちゅう「大槻さんに影響を受けて……」って言われるの。こんだけ人に影響を与えたんならさ、自社ビルの1個や2個は持ってるはずじゃない? それが、“お車代”だけであちこち出かけてさ、おかしいだろ!? と思って。だから今後、僕が影響を与えるであろう人からは、お布施の代わりにね……搾取していかないと。ふふふ。だって、サブカルの仕事って基本“お車代”でしょ?
小明 そうですね。ちなみに、“お車代”もピンキリだと思うんですけど、だいたいいくらくらいなんでしょうか?
大槻 具体的には1~5万円ですよ。封筒でいただいた時は、もう手触りで「今日はこれくらいか~」ってわかっちゃうもんね。その能力が悲しい。
小明 そうなんですね……。私は“お車代”って言われて封筒を開けたら本当に交通費だけだったことがあるので、3万円も入っていたら狂喜乱舞しますよー。むしろ何も出していないのに、「告知していただいて構わないんで!」みたいなことで交通費も出ない時もありますよね。
大槻 ね~! 「プロモーションということで」って言って“お車代”すら出ないなんて……って、今日がそうですよ!!
小明 ヒーすみません!! けど、あの、サブカルを趣味でなく本業にした場合、よほど儲かったり実家が裕福じゃない限り、生活苦はついて回りますよね。巻末の特別対談で宇多丸さんもおっしゃってましたけど、「とりあえず月15万」ってのがあるじゃないですか。その15万の壁を超えるのって、けっこう困難だと思うんですよ。私、売れないグラドルの時も食えなかったですけど、ライターはもっと食えないです。正直、サブカル仕事だけで月15万なんて、ちょっと無理!
大槻 僕もサブカルの仕事じゃなくて、メジャーがかったお仕事で生きてきたしなぁ。だから、小明ちゃんは“お車代”の出るイベントに月に15回出たらいいよ。いろんなイベント会場に自分から電話して「やりますよぉ~」って言って、ギャラが出ない場合は「ケッ!!」って言って帰ってくればいいよぉ(笑)。……なんで、こんな誰からも尊敬されないような発言をしてるんだろう。ひどいな、これ。なんのプロモーションにもならない。ええと、そう! 就職せずに好きなことだけやって生きていく方法! 若者の夢ですよ!
小明 そうですね! ええと、SNSやTwitter、ニコニコ動画にUSTREAMユーストリームと、自分を発信できる場所はたくさんあるけれど、「何かを表現する」と「それでお金をもらう」の間には、やっぱり大きな壁がありますよね。どうすれば、そこから仕事につなげることができるんでしょうか?
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