神話の世界にふさわしい質感を再現!『タイタンの逆襲』
#映画
今週は、壮大なスケールの活劇を楽しめる3Dアクションの続編と、人気少女漫画を映画化した純愛ストーリー2部作の後編を紹介したい。いずれも、前作からの展開が気になっていたファンたちにとって、待ちに待った公開といえるだろう。
4月21日に封切られる『タイタンの逆襲』(2D/3D上映)は、ギリシャ神話の英雄ペルセウスの活躍を描いた『タイタンの戦い』(2010)の続編。神々の長ゼウスと人間の間に生まれた半神半人のペルセウスは、怪物クラーケンを倒してから10年、漁師として息子とともに静かな生活を送っていた。その頃、地底深くの冥界に閉じこめられていた巨神クロノスが覚醒。ゼウスが冥界の神ハデスらの裏切りにより捕らわれたことで、人々の暮らしにも危険が迫る。ペルセウスは、愛する息子を守り、ゼウスを救うため、クロノスとの過酷な戦いに立ち上がる。
主人公ペルセウス役のサム・ワーシントン、ゼウス役のリーアム・ニーソン、ハデス役のレイフ・ファインズといった演技派のキャストが前作から続投し、重厚な神話の世界に説得力を与えている。前作で監督を務めたルイ・レテリエは今回製作総指揮に回り、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(2011)の新鋭ジョナサン・リーベスマンがメガホンをとった。神話の世界にふさわしい質感を出すためあえてフィルム撮影し、ポストプロダクションで3D変換した映像は、立体感などで若干問題のあった第1作より大きく改善されている。ただし、激しいバトルのシーンは被写体がスピーディーに動きカットも細かく割られているので、3Dアクションを見慣れていない、あるいは苦手という方は、2D版を選択するといいだろう。
同じく4月21日公開の『僕等がいた 後篇』は、小畑友紀が月刊『ベツコミ』(小学館)に連載しコミック累計部数が1,000万部を突破する人気少女漫画を、2部作で実写映画化した作品。北海道釧路市の高校で同級生だった矢野(生田斗真)と七美(吉高由里子)は、困難や葛藤を乗り越えて恋を実らせるが、矢野は母親の都合で東京へ引越してしまう。七美は再会を夢見て東京の大学に進学するが、矢野は消息不明となっていた……。
監督は三木孝浩、共演に高岡蒼甫、本仮屋ユイカ、小松彩夏、比嘉愛未ほか。邦画初の前後編2部作連続公開ということで、3月17日に封切られた『前篇』の記憶がまだ新しい方も多いはず。前作では主要キャストの実年齢と高校生の役どころに若干の無理があったが、今作では大学生から社会人のキャラクターなので違和感なく物語に入り込める。矢野や七美らの不器用で純粋な恋愛が、もどかしく、切なく、やるせなくもあるが、中盤のそうした感情を観客も共有できるからこそ、心からの感動とともにフィナーレを迎えられるのだろう。涙もろい方はどうかハンカチをお忘れなく。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『タイタンの逆襲』作品情報
<http://eiga.com/movie/57687/>
『僕等がいた 後篇』作品情報
<http://eiga.com/movie/56234/>
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