アップル社ティム・クックCEO訪中も……連続飛び降り騒動以降も変わらない労働環境
#中国 #Apple
iPadの商標権横取りなど、中国でさまざまな問題を抱える米アップルのティム・クックCEOが3月末に訪中し、次期首相就任もウワサされる李克強副首相と会談した。さらに、北京市内のアップルストアや、アップル製品を受託生産するフォックスコンの河北省内の生産工場を視察するなどのパフォーマンスも忘れなかった。
その一方、時を同じくして、米独立調査機関 「Fair Labor Association(FLA)」によるフォックスコンの労働環境に関するレポートが発表された。
世界的な話題となった、フォックスコン深セン工場における従業員連続飛び降り自殺騒動から2年経とうとする中、同レポートには依然として改善されない複数の「重大な問題」が浮かび上がった。
まずは、超過労働に関する問題だ。レポートによると、中国内の3カ所ある生産拠点のすべてで、労働法で定められている時間外労働の上限を超えていたが、残業代の算出は30分単位で、29分まではサービス残業となる計算となっていたという。
また同レポートでは、従業員の安全に関する問題も指摘されている。フォックスコンの生産拠点では、避難経路の確保と周知が徹底されていなかったり、安全設備が未整備だったりといった箇所が確認されたという。ちなみに昨年5月には、フォックスコンの成都工場で爆発事故が発生。従業員3人が死亡している。
また、労働組合の形骸化も問題視されている。組合の委員の多くは経営陣の操り人形であり、従業員が要求する権利を主張することは困難だというのだ。
いまや、アップル製品を目にしない日はないといっても過言ではないが、それらの製品がこうした中国人労働者の犠牲のもとに成り立っていると思うと、穏やかではない。商標権や知的財産の保護を中国に求めるのもいいが、まずは自分の頭のハエを追うべきでは……。
搾取だ!
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