山口敏太郎が語る――オセロ中島が陥ったオカルト業界の恐怖の洗脳とは
#山口敏太郎 #摩訶不思議ぶった斬り
UMA、心霊現象、都市伝説、オカルト……科学や情報技術が発達した現代でも、今なお話題に上がり続ける真贋不明な有象無象を、”摩訶不思議”のオーソリティー・山口敏太郎が縦横無尽にぶった斬る
筆者は、霊能者やカルト教団による洗脳や霊感商法に対して、批判や暴露を行ってきた。だが、その啓蒙活動もむなしく、被害は今も続いており、多くの人々が苦しめられている。先の見えない不況に陥った我が国では今後も悲劇が繰り返されることだろう。
カルト教団による霊感商法・洗脳と、占い師による占いや寺社仏閣によるお祓いの違いだが、科学的ではないという点では同じである。
あえて、はっきり”その違い”を断言すると動く金額にあると思う。占いはせいぜい数千円から数万円であり、お寺でのお祓いや読経でも数万円であり、お金持ちの依頼者がどんな高僧に頼んでも数十万円の範疇。100万円を超ることはほとんどない。この程度の金額ならば、依頼者が破綻することもない。
ところが、中には数百万、数千万円を請求する霊能者やカルト教団がおり、そのために自己破産や破滅に追い込まれる被害者がいる。これは明らかに犯罪である。
占いで数千円、数万円使うぐらいならば、大きな社会問題になることはない。恋に悩む若者や仕事で苦しむ中高年の相談口として”良心的な占い師”は必要である。街角の心の癒やしとしての役割を果たす、”良心的な占い師”はあってしかるべきであると筆者は思っている。
だが、今回のオセロ中島の場合はどうだろうか。明らかに依頼人を経済的に破綻に追い込んでいるし、占い師がたかっているようにしか見えない。これは明らかにカルトによる洗脳であると言ってよいのではないだろうか。
この手の洗脳の手法は次のとおりである。まず、ターゲットの心の拠り所や価値観を徹底的に破壊する。その後、未来の不安や恐怖を植え付け、弱りきったところに”やさしい救いの手”を差し伸べる。この手法を使えば、大部分の人間の心は操れるらしく、ベトナム戦争当時、共産軍サイドが米国兵士に対して洗脳を駆使したことで広く知られている。
我が国においても、某オカルト雑誌が散々読者を不安にする記事を展開しておき、その記事の次に”超能力開発グッズ”の宣伝ページを持ってきたり、セミナー商法を行う悪徳業者が、参加者から金をむしりとる手法に使ったりしている。
多分、現在オセロ中島は”外界の人間はすべて敵”、”批判じみた外部からの意見は神の試練”などと説かれ、心を閉ざす状態になっていると思われる。早い段階で、警察による身柄の奪還と、病院施設での洗脳専門のカウンセラーによる心の治療が必要かと思われる。
なお、筆者がこのような論説を書くと「山口敏太郎も同じ穴のムジナ」「奴もオカルトで食っているくせに」という意見を吐く、見識の浅い御仁が出てくる。だが、これにはあらかじめ反論しておこう。
筆者・山口敏太郎のスタイルは、以下の2つである。
「インチキなオカルトを批判し、トリックを暴露し、本当に不思議と思えるオカルト事例を洗い出す作業」
「東京スポーツネタのように、最初からギャグないしはエンタメとして創られたオカルトをプロレスのように楽しむスタイル」
いかがであろうか。
筆者のオカルトのインチキを暴き、真の不思議を見出す作業が、某オカルト雑誌やカルト教団のように、とっくに正体がわかっているオカルトを、世界の謎と奉り、多くの人々を騙す作業と同じ穴のムジナであろうか。オカルトを”意図的に創作された健全なエンタメ”分野に昇華しようとしている筆者のスタイルと、なんでもかんでも真の謎として垂れ流し、妄信的なビリーバーというカルト要員を生み出している奴らのスタイルは別物である。
この日本から、この手の悪質な霊感商法がなくなるまで筆者は主張し続ける。
(文=山口敏太郎)
●やまぐち・びんたろう
1966年7月20日生まれ、徳島県出身。血液型AのRHマイナス。作家・漫画原作者・ライター・オカルト研究家などさまざまな肩書を持つ。UMAや心霊・都市伝説など、あらゆる不思議分野に精通する唯一のオールラウンドプレイヤー。
よろしく。
●【山口敏太郎の摩訶不思議ぶった切り】INDEX
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