山岳民族に残る「嫁さらい」の実情を追う 『霧の中の子どもたち』と日本の非婚化
万古不易のイビリ連鎖を断ち切る、高らかなる宣言書『いびられ嫁の復讐』
2012/02/14 12:00
『いびられ嫁の復讐』(講談社)
義理とは、人として守るべき正しい道のことを言う。一方で付き合い上しかたなしにする行為のことも言う。結婚して新たにできた家族親族を「義理の~」と表現した日本人は本当に頭が良い。夫の親から見れば「夫に従い、夫の両親を敬う」のが嫁の正しき義理道、嫁にしてみたら「結婚して自動的に加入させられた」義理家族。二つの意味の間をグラグラと揺られながら、ニッポンの嫁姑問題は解決をみることなく先延ばしにされてきたのである。
とは言うものの、21世紀のこの世。「何このお味噌汁のしょっぱいこと! 私を殺す気かい?」「あ~らお義母さま御免なさ~い。ハイお砂糖」なんてやり取りは、サラリーマンが頭に巻くネクタイぐらいに風化していると思っているそこの貴女! 確かに嫁共感番組『ど~なってるの?!』(フジテレビ系)、姑応援番組『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)が終了し、伝統的な嫁姑のやり取りは一時期私たちの視界から消えた。
最終更新:2012/02/14 12:00