
新宿署に”殺された”信助さんの冤罪事件を風化させないために考えるべきこと
#事件 #冤罪 #新宿駅痴漢冤罪暴行事件
当サイトでも複数にわたり取り上げ、高い関心を呼んでいる「新宿署違法捜査自殺事件」(参考記事1)。違法捜査の疑いが強い警察対応が原因で一人の青年が自殺した同事件を背景に、この国が抱える警察と司法の構造的な問題を考える「繰り返される冤罪の背景 警察と司法の問題点を考えるシンポジウム」が2月4日(土)、東京都千代田区の「たんぽぽ舎」で開催される。
大学職員の原田信助さんが、JR新宿駅構内で通りすがりの大学生グループに痴漢の容疑をかけられ、激しい暴行をうけた後に、新宿警察署の違法性の強い取り調べなどが原因で自らの命を絶ったのは2009年12月。警察はその1カ月後、被疑者死亡のまま迷惑防止条例違反(痴漢容疑)で信助さんを書類送検した。
しかし、遺族の母・尚美さんらの懸命な調査の結果、被害者を名乗る女子学生が信助さんを犯人と「見間違えた」と警察に証言していたことがわかり、新宿警察署が証人もいないままに痴漢事件をねつ造し、新助さんを犯人にでっちあげて書類送検までしていた疑いが極めて強くなっている。
母・尚美さんは、新宿警察署の捜査の過程に数々の違法行為があったとして、昨年4月に東京都を相手取り国賠訴訟を提起。公判は先の1月17日で4回目を終えたが、被告である警察は、信助さんを痴漢犯人と認定した証拠と主張する防犯カメラの映像を、原告側が再三にわたり提出を求めているにもかかわらず、いまだに応じようとしていない(参考記事2)。それどころか、その他の捜査関係書類についても「全て検察に送付済であるため、控えすら手元にない」との言い逃れに終始している。
動かし難い証拠が仮に存在するならば、警察は一体なぜその証拠を提出しないのか? また、裁判所は警察の不誠実な裁判対応を許しながら、なぜ公判に無用な時間を費やすのか。シンポジウムではこうした問題点を浮き彫りにしていく。
進行役は、90年代の薬害エイズ訴訟などでも広く知られ、今回の国賠訴訟で原告側の弁護を務める清水勉弁護士。パネリストに数々の冤罪事件や警察問題の取材に定評のあるジャーナリストの寺澤有氏、林克明氏の両氏を迎え、杜撰な捜査を続ける警察と司法の根深い関係性に迫りながら、過去に生み出された数々の冤罪の背景を構造的に掘り下げていく。参加費1,000円で誰でも参加可能。当日の詳細については下記関連サイトをご参照のこと。不明な点は下記メールアドレスまでお問い合わせいただきたい。
会場:
「たんぽぽ舎」JR水道橋駅 徒歩5分
(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F)
参加費:
1,000円(資料代含む)
主催:
原田信助さんの国賠を支援する会
関連サイト:「原田信助さんの国賠を支援する会」
問合せ先 harada-kokubai@excite.co.jp
【短期集中連載】発生から1年「新宿駅痴漢冤罪暴行事件」の闇
・痴漢冤罪で命を絶った青年が録音していた「警察の非道」
・なぜ、JRは「息子の死」の真相を追及する母の想いを踏みにじるのか
・事件を密着取材していた民放キー局取材班の不可解な動き
・追跡レポートをOA直前に封印したテレビディレクターの謎の行動
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