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週刊アニメ時評 第1回

水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

animeuta.jpg(上)『戦姫絶唱シンフォギア』
(下)『ブラック★ロックシューター』

 2012年冬アニメも一通り放送がスタートした。今冬スタートしたアニメは、20タイトル以上を数え、熱心なアニメファンも、どの作品を見ればいいのか頭を悩ませていることだろう。そこで毎回ジャンルをざっくりと分けて、筆者の独断と偏見でおススメアニメを紹介しよう。

 初回となる今回のテーマは、「戦うヒロイン」アニメだ。毎シーズン、必ずといっていいほど制作されているこのジャンルは、現代オタクの基礎教養といっても過言ではない。人気、注目度ともに高く、これまで数多くのヒット作が生まれてきた王道ジャンルである。

 当然、今クールも魅力的なヒロインたちがド派手なアクションを繰り広げる話題作がスタートしている。

 中でも大きな話題を呼んでいるのが、3度のNHK『紅白歌合戦』の出場、声優初の東京ドーム・コンサートを2日間にわたって成功させたアニソン界の歌姫・水樹奈々がヒロインを演じる『戦姫絶唱シンフォギア』(TOKYO MXほか)だ。

 ヒロインたちが歌の力をエネルギーに変換して人類の敵・ノイズと戦うという本作の魅力は、キャストからも分かるように「歌」。『マクロスF』で音楽とアクションを融合させた制作スタジオ・サテライトを制作協力に迎えて描かれた第1話のライブシーンの迫力は圧倒的であった。

 しかし、最大の見どころは毎回描かれるノイズとの戦闘シーンである。ヒロインたちは、「歌いながら」バトルをするのである。「歌の力で敵を改心させる」とか「歌で味方を応援する」という形で、バトルと歌を融合させてきたアニメはこれまでもあったが、「歌いながら敵をなぎ倒していく」というアニメは前代未聞。

 ヒロインたちが、本作の原作を務める上松範康率いる作曲チーム・Elements Gardenによる、ノリノリのキャラクターソングを歌いながら戦うその姿は、まるでミュージカルのごとし。

 水樹奈々以外にも、かつて音楽ユニット・TWO-MIXでボーカルを担当していた高山みなみや、音楽大学で声楽を専攻し、圧倒的な歌唱力で声優ファンの度肝を抜く高垣彩陽など歌に定評のあるキャストがメインを張るという盤石ぶりである。

 一方、主人公・立花響を演じる悠木碧は、『魔法少女まどか☆マギカ』(毎日放送)のまどか役が大当たりした若手のホープ。まだアーティストとしての音楽活動は行っていない彼女が、本作を通して「歌い手」としてどう成長していくかにも注目したい。

 「水樹奈々の歌が売れてるなら、水樹奈々が歌いながら戦えばアニメもCDも売れるんじゃない!?」という、ステルスマーケティングどこ吹く風なド直球企画の本作は、今クールの大本命である。

 そしてもう一つ注目したいのが、2月よりスタート予定の『ブラック★ロックシューター』(フジテレビ系)である。

 2007年、イラストレーター・hukeが発表したキャラクター「ブラック★ロックシューター」は、彼のイラストにインスパイアされた音楽ユニット・supercellのryoが、08年に動画投稿サイト・ニコニコ動画にオリジナル楽曲「初音ミクがオリジナルを歌ってくれたよ『ブラック★ロックシューター』」を発表したことで大ブレーク。300万以上の再生という驚異的なヒットを記録した。

 その後、10年にはOVA化が実現。今回のテレビシリーズは、そのOVA版をベースに全8話で描かれることが発表されている。このテレビ版『ブラック★ロックシューター』の脚本を担当するのは、11年は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『放浪息子』(ともにフジテレビ系)『花咲くいろは』(読売テレビほか)などの話題作を立て続けに担当した岡田麿里。そしてCG特技監督を務めるのは、『天元突破グレンラガン』(テレビ東京系)『パンティ・ストッキングwithガーターベルト』(TOKYO MXほか)などで、血わき肉躍るアクションを描いた今石洋之である。

 エグい人物描写に定評のある岡田が描く女子中学生たちの日常と、今石による虚構の世界での異次元バトルに、supercellのサウンドがどのように彩りを添えるのかに注目したい。

 奇しくも「歌」というキーワードを持つ「戦うヒロイン」アニメの話題作が並んだ2012年冬クール。楽曲ともども要チェックである。
(文=龍崎珠樹)

Synchrogazer

倒されたい……。

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最終更新:2015/02/19 13:40
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