ドラマ『境遇』の番宣!? 日が暮れた新宿東口でAR三兄弟がニセモノティッシュ配り!
#AR
11月28日17時すぎ、東京・新宿駅東口広場にて、おなじみ拡張現実クリエイティブユニット・AR三兄弟が謎のティッシュを配っていた。
広場には12月3日(土)夜9時からABC系列で放送されるABC創立60周年記念スペシャルドラマ「湊かなえミステリー『境遇』」の巨大な広告が掲示されており、どうやらドラマの宣伝を目的としているらしい。だが、配布されている肝心のティッシュには、主演の松雪泰子、りょうの姿はかけらもなし。代わりに描かれているのは、AR三兄弟のイラストレーションである。
諸事情で到着が遅れたAR三兄弟が着いたころには、すでにオレンジ色のジャンパーを着た「お配りガールズ」(※筆者が適当に命名)が先行してティッシュを配っていた。慌てて白衣&カクメットを着用し、ティッシュ配りに参加するが、ドラマの案内をしながらテキパキと真面目に業務をこなしていくガールズに比べ、AR三兄弟の挙動不審なことこの上ない。
なにやらUstream中継も実施しており、取材中の筆者にも逆取材するなど暴走気味だった。特に、次男・高木伸二はPCとWebカメラを構えたままの姿でコート姿のOLを追い回し、誰にもティッシュを受け取ってもらえないありさま。どうやらキモ過ぎたようだ。
中継用にお配りガールズのひとりにインタビューして手を止めさせるひと幕もあり、効果はプラマイゼロかとも思えるが、幸い三男・小笠原雄が積極的に(!?)ティッシュ配りに参加、またAR十三兄弟のひとりが手伝ってくれたことで、トータルでは比較的貢献した感じ。
寒空の中、40分強のティッシュ配りを終えたAR三兄弟が、この日の狙いなどについてインタビューに応えてくれた。
──この本編の立派な広告に対して、なぜローバジェット、ローファイなニセモノ広告を打ったんですか?
AR三兄弟長男・川田吐夢(以下、長男) 心情的なところと、思想的なところがあるんですけど、本物の広告をどーんと作ったら、松雪(泰子)さんやりょうさんがうらやましくなってきて……。
──うらやましい(笑)。
長男 うらやましくて出たくなっちゃったというのが心情的なところです。あと、こういう広告って、決まったフォーマットがありますよね。それをなぞっても仕方がないと。通常の広告では届かない層の人に知ってもらおうという思想的なところがあって。いろいろなことを考えた結果、このティッシュ配りになりました。よく分からないものになりましたが、効果はあるんだと思います。
──次男の高木伸二さんがUstream中継越しにティッシュを配っていたら、キモがられていたような気がするんですが……。気のせいでしょうか。
長男 いや、気のせいじゃないですね(苦笑)。カメラを向けられながらティッシュ配られたら気持ち悪いですよね。
──まあでも、ちゃんと配布はできたかなと。
長男 よかったと思います。
──お配りガールズが帰って行きますが。
長男 僕たちが「なんて聞いてますか?」って聞いたら「番宣です」って答えていたので、あの人たちはだまされていましたね(苦笑)。
──こういう企画だとは思っていない。
長男「僕たちのドラマだと思っているでしょうね」
──ちなみにどの子が好みでしたか。
長男 「僕と三男(小笠原雄)は好みが似ているんですよ。一番こっちにいた子ですね(※自らインタビューしていた)」
──高木さんは?
次男・高木伸二(以下、次男) 僕はショートカットの子が。
──3人の中でティッシュ配りが上手だったのは誰ですか?
長男 三男ですね。踊るように配れたので。僕も”いい声”でチャレンジしたんですが、届きませんでした。三男は、もしAR三兄弟が解散したときはティッシュ配りをやったらいいんじゃないかと。
──ひどい(笑)。
長男 悲しい終わりになりましたね。
──何か明るいまとめはないんですか。
長男 あ、でも、来年ほんとにAR三兄弟の番組を作ろうと思っていて。
──えっ!?
長男 オリジナル番組を作ろうと思っています。
──これは一大事ですね。
長男 一大事ですね。僕たちは今までテレビ欄を拡張していたんですけど、そのテレビ欄に僕たちが入ってしまうという。ウソから出た実(※)というのも業界の定型にはないなと思いまして。
※この日配られた「ニセモノ広告」ティッシュに何かをすると、「本物広告」が浮き上がるのでAR(ある)。
長男 ウソ予告をしていて、「某キャッツアイ」か、みたいな。
──ちなみに枠はどの辺りを狙っているんですか。
長男 シーエ……ABCXを狙っています。
──なんか混ざっていますよ。しかも言い直してるし。
長男 ごまかしも大事ですよね。このティッシュ、りょうさんを使っちゃいけないと言われてしまって。そうした縛りの中ででき上がったんです。
──禁止技が多くてローキックだけになったモハメド・アリ戦のアントニオ猪木のようですね。
長男 伝説はだいたい制約から始まるので。
──まあでも、猪木はその後、のし上がっているのでAR三兄弟も。
長男 僕らも松雪泰子さんより偉くなるんじゃないですかね(笑)。
──それがオチだと怒られそうな気がするので、ほかの話題で締めたいんですが。
長男 なんかない? 掛け詞で。ティッシュ配りとかけて。
三男・小笠原雄(以下、三男) 「ティッシュ配りとかけて、ARととく」
──そのこころは?
三男 「……(ニヤリとして)気づけば、そこにある……」
──……今のは「ある」が「AR」にかかっているんですか?
三男 「いや……かかってないです」
長男 「………いやー、やってしまいました。これはここまで築いてきたものがすべて崩れ落ちそうなレベル……。ここは解釈を拡張して『ティッシュ配り頑張り過ぎて、メディアへの気配りを忘れてしまったAR三兄弟なのでした』みたいに、『きょうのわんこ』風にふんわり締めていただければっ!(笑)」
(取材・文・写真=後藤勝)
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