「日本刀&青龍刀持参で!?」”アウトローのカリスマ”瓜田純士が地下格闘技に衝撃参戦!
#格闘技 #瓜田純士
日本屈指のトラブルメーカーが、酔っぱらいながら「刀持参」でリングイン!──6日(日)、ディファ有明で開催された地下格闘技『益荒男-MASURAO-第伍陣』に、”アウトローのカリスマ”こと瓜田純士(31歳)が緊急参戦した。
問題行動の多さゆえ、前田日明主催の『THE OUTSIDER』を追放され、このところ格闘技から遠ざかっていた瓜田だが、なぜ今この時期に再びリングに上がることを決意したのか? 対戦相手のミスターXとは何者なのか? そして気になる試合の結末は?──戦々恐々の密着レポートをお届けしよう。
開会式直前のバックステージ──。これから行われる試合に向け、選手たちはみな軽装に着替え、ストレッチやスパーリングに励んだり、目をつぶって精神統一を図ったりしている。そんな中、ただひとり、異彩を放つ男がいた。
洒落た普段着のままサングラスをかけ、靴のカカトを踏みつぶし、ポケット瓶のジャックダニエルをストレートでグビグビ飲み続ける男──そう、それが、瓜田純士であった。
開会式が始まり、全選手が挨拶のためにリングイン。ここでも瓜田はジャックダニエルを飲み続け、そして、対戦相手の覆面男・ミスターXに絡み始める。顔を近付け、メンチを切り、ヤクザじみた言葉で恫喝。期待を裏切らないアウトローぶりに、会場が沸く。
開会式終了後も、瓜田の無軌道な振る舞いは続く。なんと、選手控え室ではなく、「選手立ち入り禁止」と書かれた応接間を陣取り、仲間と酒盛りを始めたのだ。
その宴に恐る恐る近付き、インタビューを試みた。以下は、瓜田との一問一答。
モデルとツーショット。
──ここ、選手は入っちゃダメみたいですよ。
「ルールは破るためにあるんでね」
──開会式での存在感がすごかったですね。
「やっぱ、『この人違うな』っていうのを最初にわからせてやんないと。そこいらのかわいい偽物たちと違って、俺は本物のアウトローなんで。試合でも、盛り上げますよ。とりあえず、教えてやろうかな、と。ケンカとはなんなのか、アウトローとはなんなのかを」
──格闘技の大会からはしばらく遠ざかっていましたが、なぜ今回、『益荒男』に出ようと思ったんですか?
「単に暴れたかったってのもあるけど、自分のルーツに立ち返りたかったってのもある。今から3年前、ここディファ有明で、とある興行(THE OUTSIDER)に出て、大会を盛り上げた。あれがきっかけになって、地下格闘技が全国に広がっていったんだよね。”地下格ブーム”の火付け役は、間違いなく俺。最近、そういう自分のルーツを振り返る機会があって、久々に原点のディファ有明に帰りたくなったんですよ」
──練習は?
「もちろん、まったくしてない。飲んでばっかり。昨日も東高円寺で朝3時まで飲んでました」
──どれぐらいの量を?
「タンタカ(鍛高譚)2本と、クロキリ(黒霧島)1本空けて、そのあとJINRO飲んでる最中に具合悪くなって、家帰って寝て、起きてディファ着いてからは、ずっとジャックダニエル飲んでます」
──最近は、どういう日常を?
「つねに、酒かセックス。モテちゃうんで。俺クラスになると」
──顔のタトゥーが随分と増えましたね。
「もうね、ここまで入れたら、居直っちゃってるからね。頭にもいっぱい彫ったし。こっちに『Mafia』、こっちに『Sex』」
──タトゥーのお値段は、どれぐらいかかるんですか?
「知れてる」
──はい?
「知れてる質問しないでよ」
──失礼しました。ところで、飲んだくれている割には、相変わらずスマートですね。現在の体重は?
「63キロかな」
──今日の対戦相手のミスターX選手は、体重150キロと言われています。瓜田さんの2.5倍ですよ!
「つか、だから何? おいデブ、教えてやるよ、みたいな感じですね。体重なんか関係ない。ケンカなんで」
──ミスターXの正体は、元力士の露鵬との噂もありますが。
「たぶん違うね。さっき開会式で睨み合ったときに確かめようと思って、眼球覗き込んだら、違うな、と。何者かはわかんなかったけど」
──会場は早くもほぼ満席。瓜田さん目当てのファンも多そうですね。
「これから夜にかけて、もっと増えるでしょ。下手すりゃ4分の1は、俺目当てじゃないかな」
──ところで、なぜそこに、青龍刀と日本刀が置いてあるのでしょう……?
「ああ、これ?(と言って鞘から日本刀を抜く)近付くと危ないですよ、ホントに切れるから」
身の危険を感じたので、ひとまず退散。
会場のロビーへ戻ると、なんとそこには、地下格闘技界の”問題児”、山田史博選手の姿が!誰もが認める実力者でありながら、さまざまな大会を立て続けに欠場し、あちこちで怒りを買っているのが、この山田である。
次週(13日)開催の『THE OUTSIDER 第19戦』への参戦も決まっているが、「今回もどうせ体重制限を守れずにドタキャンするのでは?」と、対戦相手のみならず、ファンをもヤキモキさせているのだ。
今日は一観客としてディファ有明に来たという山田。観戦している余裕があるということは、減量は順調なのか? それとも……?いい機会なので、ぶっちゃけた話を聞いてみよう。
──お久しぶりです。最近、あちこちで山田選手のことが話題になっています。
「ああ、調子に乗ってるヤツが、いっぱいいるみたいですね」
──連続欠場への批判が相次いでいますが、それに対する弁解や反論は?
「まったく、何もないです! まわりが何を言っていようが、僕は僕。待たせたファンに試合を見せたいって思いはありますけど、他の選手がどう言おうと、なんてことないですね。別にその人とやるためだけに格闘技やってるわけじゃないし。僕は僕が試合したいときにして、そのときにファンにお礼をできればと思ってます」
──13日に対戦予定の宮永一輝選手が、ブログで山田選手のことを強烈に皮肉っていますが。
「笑いながら読んでます。僕のほうがかなり年下ですけど、今回の対応は、僕のほうが大人だと思ってます」
──今おっしゃったことは、記事にして大丈夫ですか?
「いいですよ。なんの問題もないです」
──現在の体重はどうなんでしょう?
「バッチリです! みんなに不安をあえて与えるために、これまでずっと黙ってましたが、実はバッチリです!」
──練習で絞ったんですか?
「いや、水泳っすね。最近、プールにハマっちゃって、泳いでばっかいます」
──最後に一言。
「間違いなく僕が勝つんで、13日に会場に来る方は、変な期待をしないでください」
──「変な期待」とは?
「向こうが勝つ、っていう期待です」
今度こそ間違いなく、山田の試合を見られるはず。ファンもアンチも大いに楽しみにしておこう。
さて、いよいよ瓜田の試合が近付いてきた。
バックステージでは、「蘇れ新宿魂」と書かれた手製の旗を羽織った瓜田が、鬼気迫る表情で精神集中を図っていた。もうさすがにお酒は飲んでいない。
その逆サイドでは、対戦相手の覆面男・ミスターXがパイプ椅子にデーンと腰掛け、入場を待っていた。恐る恐るミスターXに声をかけてみる。
──日本語は話せますか?
「はい」
──今日の抱負を聞かせてください。
「ぶっ殺すだけ。すぐに終わらせてやる。向こうが主役かもしんないけど、間違いなく、こっちが食うから」
──現在の体重は?
「150キロ! 今もオニギリ食ったばかり!」
──あなたの正体は?
「木こり、あるいは、通り魔だ!」
──格闘技の経験は?
「ない。ただ、ストリートファイトでは負けたことがないね。35戦35勝」
──ご出身とご年齢は?
「東京の下町出身で、30歳」
──てことは、瓜田さんとほぼ同世代ですね。
「だね。昔から彼の名前はよく聞いていたよ」
結局、何者なのかはよくわからなかったが、露鵬でないことだけは確かなようだ。
そのミスターXが、先に入場。歩く度に上半身の贅肉がゆさゆさ揺れる力士体型。鍛えているのかどうかは不明だが、この体に押しつぶされたら、ひとたまりもない。ストリート無敗という話もあながち嘘ではなさそうだ。
続いて、映画『トップガン』のテーマ曲「デンジャー・ゾーン」が爆音で流れ出すと、青龍刀を持ったセコンドに先導されて、日本刀を持った瓜田が入場。花道の途中で歩みを止めた瓜田は、刀を鞘から抜き、リング上のミスターXに刃先を向ける。
さらに、リングインした瓜田は敵コーナーに詰め寄りガンを飛ばすが、ミスターXは「あっち行け」という仕草で、これを追い払う。
「この試合は無差別級MMAルール、2分無限ラウンドとなっております」とアナウンスされると、会場がドッと沸く。両者の身長はほぼ一緒だが、体重差が2.5倍もあるため、横幅の違いがハンパじゃない。まさに無差別級と言うほかない。
いざ、ゴング。両者距離を取ったまま、睨み合い。「こっちへ来い」と言わんばかりに瓜田が地団駄を踏むと、ミスターXは両手を掲げながら「お前が来い」という仕草。やがて、しびれを切らしたミスターXが突進。瓜田が闘牛士のようにクルリと反転してこれをかわすと、客席から「おおっ」というどよめき。
両者サークリングの末、徐々に距離を詰め、ファーストコンタクトで瓜田は小刻みなパンチのラッシュ。ミスターXも大振りの右フックを返すが、これは空振り。
再び距離を置き、「来い、来い」と挑発する瓜田。ミスターXの左ハイを腕でディフェンスした瓜田は、左ロー、ワンツースリー、右ローのコンビネーションを素早く打ち込むが、ミスターXは下がるどころかジリジリと前進。圧力に押された瓜田は、ロープを背負う直前にクルリと身を翻して、また距離を置く。
瓜田はその後、フェイントからのローキックを糸口にパンチをラッシュするチャンスを何度か得る。が、その都度、体躯に勝るミスターXに押し込まれ、ロープを背負ってはクルリとかわす、の繰り返し。
そして迎えた1ラウンド終盤、ついにミスターXは、瓜田の腰をつかまえることに成功。そのまま力任せに瓜田をブン投げる。
ミスターXの投げを食らい、数メートル飛ばされる瓜田。
起き上がった瓜田は、「俺の顔を殴ってみろ」という仕草を見せ、ミスターXが飛び込んできた隙に左ローを入れ、素早く逃げる。ミスターXはこれを追走し、背後から抱きつき、遠心力を効かせて再び瓜田をブン投げる。
倒れた瓜田は、そのまま猪木アリ状態の戦いに持ち込もうとするが、ミスターXはスタンドを要求。会場から大きな拍手が起きる。
残り10秒。起き上がった瓜田は、ミスターXの頭部を首相撲のような形でとらえ、そのまま覆面を剥がしてしまう。と同時に、1ラウンド終了のゴング。
覆面を剥がされても正体はよくわからず、「ミスターXが、ただのデブになった」との野次が飛ぶ。
この直後、「事件」が起きた!
インターバルの間も、瓜田はせわしなくリング上を歩き回る。そして、その歩みを止め、ニヤリと笑ってロープにふんぞり返った直後に、「事件」は起きた! なんと瓜田は、突如として敵コーナーに突入し、椅子に腰掛けていたミスターXを、ヒザ蹴りで急襲したのである。
椅子から崩れ落ちるミスターX。怒るセコンド。暴れる瓜田。瓜田を押さえるセキュリティー。それらこれらで、リング上は大混乱。ここでなぜか会場の電気も消え、混乱に拍車がかかる。
突然の出来事に、客席は唖然呆然、そして騒然。怒号と野次が飛び交う中、リングアナから以下のような説明が。
「これ以上の試合は続行不可能と判断いたしましたので、よって、この試合はノーコンテストとさせていただきます」
暗がりにまぎれて会場を抜け出した瓜田は、最後にこう語った。
「なんでもいいから倒せばいい。これがケンカ。これがアウトロー」
(取材・文=岡林敬太/撮影=オカザキタカオ)
波乱万丈のドキュメンタリー。
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