「今も色濃く残るジャニーズタブー」田原俊彦”ビッグ発言騒動”検証番組の欺瞞
#ジャニーズ #本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」 #本多圭 #田原俊彦
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
田原俊彦が、10月21日に爆笑問題が司会を務めるTBSの新番組『爆報!THE フライデー』に出演。「ビッグ発言の真相」について、VTRを挟みながら検証していた。
「ビッグ発言」騒動とは1994年、田原が自身の長女出産後の記者会見で発した「何事(結婚も出産も)も隠密にやりたかったけど、僕ぐらいビッグになってしまうとそうはいきません」などの”生意気な発言”が世間のひんしゅくを買い、テレビから干されてしまったというもの。これに対して、同番組ではビッグ発言を生んだ記者会見の未公開部分を放送しながら、問題発言はマスコミによって意図的に編集されたものであり、実際の会見では記者たちとの比較的和やかな会話の中で発言が生まれていたという点を強調。つまり、「田原が干されたのは、マスコミの陰謀だった」ということを訴えたのだ。
確かに、ワイドショーを始め、芸能マスコミが意図的に田原の言葉を編集していた事実はあったであろう(当事者であるTBSが、今さらこんな番組をつくること自体おかしな話だ)。しかし、田原が干された直接の原因がビッグ発言でないことは、その芸能マスコミが一番分かっているはず。その引き金は、田原がジャニーズ事務所から独立したことにあるのは間違いない。
93年、田原はジャニーズ事務所からの独立を画策。それを察知した事務所は、全国コンサートツアーを中止させている。それまではジャニーズに守られていたものの、独立問題を抱え、”ノーガード”になった田原に対して、マスコミの論調も厳しくなっていた。そして、94年の長女出産会見を迎えるのである。多少でも生意気な発言をすれば、一斉にバッシングに入る下地はできていたのだ。
独立後の田原には、エイベックス移籍もウワサされたが、当時のエイベックス関係者は「田原は欲しいけど、メリー喜多川(ジャニーズ事務所副社長)さんを怒らせたくない」と、暗にジャニーズサイドから圧力があったことを認めた。テレビ局ほか、各メディアも同様である。ジャニーズを独立した”腫れ物”である田原には触れたくない。例えビッグ発言がなくても、田原はジャニーズ事務所から独立したことで芸能界から干されていた。田原は番組で「僕はマスコミ嫌い」とか「僕らは打たれっぱなし」とマスコミ批判をしていたが、そもそも、その原因を作ったのは田原本人だ。
デビュー前、田原は新宿2丁目のウリ専バーで働いていたという情報がまことしやかに流れた。ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏がホモというウワサがあったため、その情報には信ぴょう性があった。デビュー後の89年には、合宿所で撮られたとされる田原の全裸写真が流出したことで、さらに疑惑は膨らんだ。さらに、その反動だったのか、田原はファンの女性に手をつけまくった。その手口というのは、まさにビッグになった立場を利用してのものだった。
当時の田原には、フジテレビのディレクターや大手広告代理店の社員を女衒(ぜげん)扱いしていたという情報がつきまとっていた。番組の収録に遊びに来るファンで、気に入った女の子の目をつけては彼らに口説かせ、一夜を共にしていた。ディレクターも代理店マンもそれを断れば、仕事がもらえない。ブレークしていたころから、田原は思い上がっていたのだ。そんな田原に対して、ジャニーズの力を怖れない一部のメディアは実態を暴き続けてきた。田原は、それでマスコミ嫌いになったというのは想像に難くない。いわば自業自得だ。その後、ジャニーズに従順な御用マスコミも、田原がジャニーズに反旗を翻すや田原の傲慢さに食らいついた。
田原が芸能界から干されてしばらく経ったころ、筆者は青山にある焼肉屋で家族と食事をしていた。そこに、偶然、田原が奥さんと子どもを連れて入ってきた。店に入っても、田原はサングラスと目深にかぶった帽子を脱がなかった。筆者の長男が「まだ、ビッグだと思ってんのかね」と言ったことで爆笑したことを記憶している。
今になって、芸能界から干された原因をマスコミのせいにする田原は見苦しい。マスコミに叩かれても不祥事を起こしても、実力のあるタレントたちはしっかりと生き残っている。番組内では、田原のマスコミ批判に、爆笑問題やテリー伊藤も同調していたが、彼らがやっていることも天に唾しているようなものだ。芸能界から干された真相は、ジャニーズ事務所の影響だとはっきり伝えるべきだ。番組は、その点を深く追及しないのだから、今でも”ジャニーズタブー”があることが分かる。芸能界もテレビ局も、田原が独立したときと何も変わっていないのである。
(文=本多圭)
再ブレークなるか?
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