昼夜トータル5時間の萌え萌えしいアニソンライブにULTRA-PRISMも見参!!
#イベント
2008年5月の「001」からスタートしたアップフロントスタイルのライブプロジェクト、HAPPY! STYLE Communication Circuitがこの5月でついに4年目に突入。21日に開催された「008」では008≒∞ということで「アンフィニ・加速」をテーマに現レギュラーメンバー(能登有沙、ゆいかおり《小倉唯、石原夏織》、寺門仁美、三澤紗千香※夜の部のみ、松永真穂、市川利奈)が結集し、萌え萌えしいアニメソングを中心に2部合計で64曲を熱演した。
ギリギリまで発表されなかったゲストは、過去に出演経験のある月宮うさぎ。そしてシークレットゲストは、なんとその月宮が活動中のULTRA-PRISMだった。
表参道FABで開催されることが多いハピスタだが、この日は大きめの文化放送メディアプラスホール。「008」はゆいかおりのメジャーデビュー1周年記念公演も兼ねている、ふさわしい舞台だろう。
女性声優が半ばグループアイドル化したユニットを組み、キャラクターヴォーカルの状態でアニメのOP/EDを歌う傾向がここ数年続いている。キャラクターソング化したアニメソングは音楽的にもアイドルソングに近似で、女性ヴォーカル曲のストックが豊富になっているとも言える。
そうしたナンバーを選んだ結果か、セットリストには最新の萌えアニメに起用されたOP/ED曲がズラリ。ハピスタメンバーの2.5次元的な魅力を存分に引き出していた。
原曲に振り付けが存在しないものについては新たに起こさねばならず、「SUPER∞STREAM」を石原夏織が担当した以外は、リーダーの能登有沙が振り付け。準備期間はあまりなかったというが、本番に間に合わせ、完璧な踊りを見せた。
昼の部と夜の部の間には囲み取材が行われた。メンバーのコメントは以下の通り。
「ダンスは苦手ではないんですが、たくさん詰め込みすぎると頭がパンクしてしまう。でも今回はうまくいって、自分的には大満足です。歌はもっともっと頑張りたいなとあらためて思ったので、夜の部で挽回します」(松永真穂)
「私はダンスがすごく苦手だったんですが、みんなに少しずつ教えてもらって、ちゃんとしたものを見せられたかなと思っています。これからも、ダンスも歌も頑張っていきます」(市川利奈)
「今日は久々に、『ゆいかおり』2人の曲だけじゃなくてソロ曲も歌えて、ハピスタはそういうところもいいなと思っています。テーマは「加速」だったんですが、本当にアップテンポな曲が多かったので、みなさんにも楽しんでいただけたかと思います。夜も頑張ります」(小倉唯)
「能登の出ている楽曲で『SUPER∞STREAM』以外は私が振り付けを担当しました。メンバーに教えてリハ中にみんなに話をしてと、ダンスの先生みたいなところもやりつつの『008』だったんですが、自分的にも教えるという立場で、ちょっとだけ成長できたかなと思うし、ソロの曲もほかのアーティストさんの曲を歌わせていただくことで自分の課題がいっぱい見つかったので、加速して頑張りたいと思います」(能登有沙)
「『SUPER∞STREAM』は私が振り付けを担当させていただきました。今までハピスタでみんなに振り付けをすることはなかったんですが、デビューして1年が経ったことでもありますし、みんなに振りを付けることができて本当によかったなと思います。そしてソロ曲で、絶対に1年前の私だったら歌えないような水樹奈々さんやMay’nさんの曲に挑戦させていただいたことで、まだ粗い部分もたくさんあるんですけど、去年より成長した部分があることも分かったし、お客さんからも『うまくなっていたね』という反応もありました。そういう部分をもっと伸ばしていけるようにしたいと思いました」(石原夏織)
「今回、『008』は1年ぶりでハピスタメンバーが集まって、本当に一丸となってリハもやってきて。やっぱりこうやって本番を迎えると、お客さんの汗と、私たちの汗と、『ハピスタ』らしい008を終えることができました」(寺門仁美)
「1年ぶりにハピスタにゲストに呼んでいただいたんですが、ハピスタらしさが確立されて、1回目2回目とは全然違う、新しいハピスタになっているなと思いました。その中でもULTRA- PRISMは見て楽しい聴いて楽しい、一緒に飛んだらもっと楽しい、2.5次元ポップの、オタク魂と萌え心の入った曲を、みんなで受信送信できた感じがして楽しかったです」(月宮うさぎ、ULTRA-PRISM)
「よかったと思います。『009』の出演? そうですね、ハピスタとULTRA-PRISMの新しい時代をつくっていきたい」(小池雅也、ULTRA-PRISM)
「1年前の『007』で初めて音楽的なライブをやらせていただくことになって。あの時よりも成長した自分がいるなと思っていますし、いろいろな仕事をして変わってきてもいます。そういうところを表現できたらいいなと思っています。頑張ります」(三澤紗千香)
昼夜ともオープニングを飾ったのはメンバー全員の「いちごコンプリート」、続いて能登有沙が1人残って「挑発Cherry Heart」を歌う。パッと聴いただけでアニメソングと特定できない曲調は、今回のコンセプトに合っている。
このあと昼の部は続けて、夜の部は三澤紗千香が歌う「only my railgun」を挟み、能登有沙、石原夏織、松永真穂、市川利奈の4人でスフィアの「REALOVE:REALIFE」に立ち向かう。徐々にハードルが高くなってきたところで「Taste of Paradise」(小倉唯)「STRAIGHT JET」(松永真穂)「大和撫子エデュケイション」(能登有沙、小倉唯、石原夏織、寺門仁美)といった直近の萌えアニメソングで雰囲気を和ませ、MCへ。
ここでゲストの月宮うさぎが登場。自らのキモヲタぶり、そして”よく訓練された王国民”ぶりをアピールしながら田村ゆかりの「You & Me」「fancy baby doll」を熱唱。歌われてみれば、かなりの近似値に驚く。
再びMCで転換すると市川利奈のターン。昼の部ではMay’nの「Ready Go!」、夜の部ではyoshiki*lisa(吉木りさ)の「Destin Histoire」に挑んだ。かと思えば、石原夏織が「1年前では歌えなかっただろう伸びやかで技術が必要な歌」と言う高難度な水樹奈々の「innocent starter」に挑戦するなど、メンバーがさまざまな特徴や個性を披露していく。
「SUPER∞STREAM」で全員がそろうと、ここが中段のクライマックス。その後、月宮うさぎに加えて小池雅也も登壇し、シークレットゲストのULTRA-PRISMとなった2人で自身の楽曲を演奏した。
女子ばかりでちょっとたたずむのが難しい”アニキ”こと小池雅也は、彼を徹底的に持ち上げるオーディエンスの盛り上げのおかげもあってか、「小池さん、こんなにしゃべる人だったかなって。前にいらしたときはクールなイメージだったのに」と能登有沙も驚くほどの冗舌ぶり。ファンを積極的にあおり、ギターを構える姿勢もよく、心なしかギターの音色も艶やかで、一躍彼らの名を上げた『侵略!イカ娘』のOP「侵略ノススメ☆」で会場の空気を圧倒的に侵略すると、余裕の体で去っていった。
後半は小倉唯と石原夏織が公式の衣装にチェンジし、「ゆいかおり」として「恋のオーバーテイク」(昼の部では「Our Song」)ほかオリジナル曲4曲を歌い、自らメジャーデビュー1周年を祝った。
そして終盤は再びメンバーをシャッフル。夜の部では三澤紗千香と松永真穂、ハピスタ内では長身の2人が160センチコンビを組み(オードリーのようなコンビ愛と称していた)、あるいは「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」ではヒャダル子パートを寺門仁美が、ヒャダインパートは市川利奈が男装&男声でトライするなど攻めに攻め、最後はモーニング娘。の「みかん」で全員が集合してフィナーレを飾った。
夜の部最後のMCが始まり、最初は笑顔だったハピスタメンバー。しかし小倉唯が学業と他の仕事と今回のライブの両立で苦しかった箇所に触れると涙腺は決壊し、楽屋裏の思いが次々に溢れ出る。
石原夏織が「大阪にいる(須磨)愛ちゃんや(阿部)麻美ちゃん(2人ともSI☆NA、元ハピスタレギュラー)が徹夜の深夜バスで来てくれて。こんなにうれしいことってないじゃないですか」と絆の深さを激白すれば、リーダーの能登有沙は「加速云々の前に練習時間が限られていて、すごいスピードでやらなくてはいけなくて。メンバーのみんなにリハでは辛く当たっちゃって、それはほんと、ごめんね」と涙ながらに謝罪した。しかしその能登有沙を、初期の頃から見てきた月宮うさぎは「みんなのお姉さんとして頼もしくなった」と言う。
「ハピスタはお祭り。メンバーのいろいろな経験を集めている」と言う能登有沙は「今までは、例えば私がああしてこうしてと言って、それに”はーい”と付いてきてくれる感じだったんですが、今はそれぞれ自分で考えているなと思いました。時間があったら”ここはこうしよう”とメンバー同士でコミュニケーションを取ることが増えてきた。それはうれしいなと思います。それぞれ(普段は)1人で活動しているからこそ出る言葉なのかなと思います」と後輩たちを評価した。
華やかさとは裏腹に根性とたくましさがにじむエンディング。プロスポーツやロックバンド同様に集合離散の激しいアイドルシーンで浮き沈みに揉まれながら、各自の進捗と成長を確かめる機会として、メンバーやファンにとって重要なステージだったのかもしれない。
◆メジャーデビュー1周年を迎えたゆいかおり
「1年がたって次の目標に向かっていく中で、お互い学業やハピスタの練習でスケジュールがなかなか合わなかったりしましたが、個々の仕事を通して自分でイメージし作り上げる楽しさを覚えました。体力的には、去年は息がつづかなくてメドレーがボロボロだったところを、今回はベストな感じで歌えた。そういうところが、この1年で成長したなと思います」(石原夏織)
「今回1年ぶりのハピスタでうれしかったのが、前回もゆいかおりとして歌わせていただいたんですが、やっぱり持ち曲が少なくて他の方の曲を歌うことが多かった。それが1年たってシングルも4枚出してということで、今回、ゆいかおりはオリジナル曲を多く歌うことができたので、それは本当にうれしいなって思います。やっぱり持ち曲があるとみなさんの盛り上がり方も違うし、私たちの個性もすごく出せるので、これからもたくさん曲を出せるように頑張りたいと思います」(小倉唯)
(取材・文・写真=後藤勝)
成長しました。
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