「原発周辺は宝の山?」商機を求めて”放射線を吸収する菌”に群がる東電関係者たち
#原発 #東電
東京電力とも密接な関係にある原子力関連組織の有志研究チームが「放射線を吸収する菌」の本格研究に乗り出したことが分かった。
この菌は3年ほど前、チェルノブイリ原発事故での放射線研究の一環で発見されたもので、原子炉の壁から採取されたところ、放射線を吸収して成長していることが判明。「まるで”放射線を食べる菌”だ」と世界的な話題となっていた。
これを日本でも研究に乗り出すというわけだが、福島の原発事故にも何か有益な部分があるというのだろうか。
「現時点では答えはノーです」
あっさり否定したのは研究チームの関係者だ。
「吸収するといっても放射線を減らす力を持っているわけではないので、直接的な放射線対策にはなりません。ただ、いろいろな点で応用ができるので、いずれにせよ放射能関係で役立つ可能性を秘めています。詳しくは語れませんが、我々の着眼した研究には多額の出資をするというベンチャー企業も名乗りを上げてくれています」
放射能に関連するベンチャービジネスは日々、盛んになりつつあるが、この関係者は先日、タンザニアで放射性物質を吸着させる菌が見つかったことも言及した。
これは先月、金沢大学名誉教授、田崎和江氏が発見したもので、同関係者によると「こちらの方はうまく活用すれば放射性物質の拡散を防げる可能性を秘めている」という。こちらも既に世界各国の企業から研究への出資申し出があるという。
「そういう状況なので正直、福島の原発事故後、放射線が広がった地域は宝の山に見えてしまいます。土壌中の微生物を調べようと多くの研究者が出入りして、まるで金脈を探すような感じになっているんです」(同関係者)
こうしたビジネス欲で結果的に放射能汚染の問題解決が前進するのなら歓迎だが、一方で不快感を示す声もある。
クリーンエネルギー開発を推進する都内団体の関係者は「東京電力と近い連中がこの機会に放射能ビジネスを模索するのはおかしい」と指摘する。
「東電は社内でベンチャー起業制度を持っていて、社員による新事業を支援する仕組みになっているので、今回の原発事故に関連したビジネスチャンス探しも活発化しているんです。自分たちが起こしたトラブルなのに、その被害を金もうけに利用するのは許されない。大資本の東電が出てくると他の中小企業は対抗できず飲み込まれてしまい、研究の妨げになってしまう。結局は、この分野が原子力発電と同じようにまた東電に独占されてしまいますよ」(同関係者)
原発事故は「国と学者と東京電力の拝金主義による人災」という声もあるが、この期に及んでも金もうけのことしか頭にないのなら鬼畜にも程があるだろう。
(文=鈴木雅久)
菌ってすごいのね。
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