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異性をオトすにはやっぱり雑学!? 役に立たないうんちく満載『犬も猫舌』

nekojita.jpg『犬も猫舌』(ワニブックス)

 「知識」を大量の水が流れる滝に例えたとき、その水しぶきの一粒に相当するのが「雑学」だろう。取るに足りないと言えばその通りだけれども、その一滴が脳に染み、退屈な時間に潤いをもたらしてくれることもある。そんな一滴一滴を、テレビ番組の司会やクイズ番組のパネラーなどとして、知的なキャラクターがなじみ深い松尾貴史氏が監修した雑学本が、この『犬も猫舌』(ワニブックス)だ。

 まえがきによると「戦前に比べると、現代の日本人一人あたりが得る情報は、一説によれば5,000倍」だそう。本書が刊行された2003年にその数字だから、Twitterなどでまさに滝のように情報を得ることが当たり前となってきた現在では、どのくらいになるのだろうか。


 ちょうど、その03年に深夜放送からゴールデンに移行したテレビ番組『トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~』(フジテレビ系)によって盛り上がった雑学ブームは、現在では過ぎ去ったか、もしくは収集の場所を本やテレビからインターネット上に移したという感もある。が、それでもこの本を今読むに値するものとしている理由には、松尾貴史氏がキュレーションを担当していることのほかに、五月女ケイ子氏によるシュールなイラストの力も大きい。表紙のイラストは「犬に猫舌であることを告げる大天使サラリーマン・ミカエルの図」だそう。100個ほど掲載されている雑学一つにつき一枚のイラストが付いているので、大変ぜいたく感がある。雑学を読んで、ひとしきり「へぇ」とか「ふーん」とか「ふむ」と思った後に、この意味不明、もといシュールなイラストに目を移す。その時生まれる雑学とイラストの不思議なハーモニーが、ちょっと癖になるのだ。
 
 あとがきによれば、松尾氏は本書を監修するに当たって、ある隠しテーマを設けたという。それは「若い女性にうんちくを語ってもらいたい」というもの。雑学を披露するのはもっぱら男性、というかおっさんで、女性は『トリビアの泉』でも「へぇボタン」を押す役割しか与えられてないが、女性にも小粋かつ知的に雑学を「キメて」ほしいという。

 確かに、一般的には、女性は雑学を仕入れることより、男性が語った雑学にいかに反応するかという技術を習得する方が大きな命題で、かつ男性側もそれを求めている場合が多いと言えそうだ。その状況は現在も変わっていない。

 そこで、「隠しテーマ」を知らなければ、積極的に雑学を人に話す気はなかった「若い女性」である筆者は、本書で仕入れた雑学の披露にチャレンジしてみた。

 取りあえず「スヌーピーの犬小屋には地下室があって……」(その地下室の中に何があるか、続きは本で!)という雑学を、「キャラクター系の話題は女性としても話しやすい」という理由で選び、仕事関係の知人男性に、雑談を装って話してみた。

 すると、相手は、スヌーピーの持つ意外な秘密にちょっと驚いてくれた後、「スヌーピーは芝生が嫌いだから、いつもあの犬小屋の上にいる」という新たな雑学を教えてくれ、その後は知っている人も多いだろう「ライナスの毛布」の話など、「スヌーピーと精神的コンプレックス」という話題で会話を展開させることができた。これは、結構知的な会話と言えるのではないだろうか。やればできるものだ。 

 ただ、唐突なネタ振りで相手を驚かせしまったようなので、そこに気をつければもっとうまく雑学を披露することができそうだ。それには、やはりシチュエーションに合わせた雑学を選ぶこと、TPOに合った雑学が自然と口から出てくるようにしないといけないと身をもって学んだ。これは、男女を問わない課題。本書を読んで雑学を披露したい欲求に駆られたなら、ぜひさらに読み込んで、雑学を頭に染み込ませた上でチャレンジするのがオススメだ。
(文=萌えしゃン)

犬も猫舌

くだらなさ満点。

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最終更新:2013/09/13 19:34
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