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東京タワーから新宿二丁目まで、昼間とは違う夜の東京を歩こう『東京夜景散歩』

tokyoyakei.jpg『東京夜景散歩』(洋泉社)

 眠らない街、東京。

 夜、この街を散歩してみると、昼間とはまた違った魅力が見えてくる。

 ロマンチックな夜には外せない東京タワー、ド派手なネオンがきらめく外国色の強い六本木、オレンジ色の街灯を灯し花街の風情を残す神楽坂、ガード下に居酒屋が建ち並ぶ有楽町駅前……。東京には世にも美しい夜景から、ゴチャゴチャと怪しげな店が入り混じるダークなスポットまで、人間の欲求を満たすありとあらゆる場所がそろっている。

 とりわけ新宿は、戦後の闇市から出発したゴールデン街や西口すぐの思い出横丁、風俗店がひしめく歌舞伎町、世界最大級のゲイタウンとして有名な二丁目など、ディープな世界が広がり、夜に歩いているだけでワクワクする。最大の見どころは、場所というよりも人。土地柄、一風変わった人が多く、かわいらしいスカートを履いたおじさん、オカマちゃん、若いホストや黒服の集団、ホテル街へ消えるワケありっぽい中年の男女など、昼間には絶対に見られない、人間模様があちこちで垣間見られる。

 本書『東京夜景散歩』(洋泉社)では、新宿、秋葉原、浅草、池袋、渋谷、天王洲ほか多数のエリアに加え、夜にオープンしている釣堀、墓場、駐車場など様々な角度から紹介する夜の散歩スポットが満載。

 さらに、よりディープな夜の散歩をするための案内人として、それぞれの”夜”を極めた人物たちがその魅力を語る。

 闇歩きガイドの中野純氏は、ナイトハイク(夜のハイキング)での闇の恐ろしさと同時に感じる独特の安心感や幸福について、工場萌えで有名な大山顕氏は、ドボク現場や高速道路のジャンクションの夜景の素晴らしさ、珍日本紀行などで有名なディープな日本を探り続ける都築響一氏は、東京の右半分の終電後の世界をどっぷりと伝えている。

 太陽が沈み、闇が訪れる。それだけで景色は一変し、行きかう人々もまったく異なる。夜を歩くということは、危険を伴うと思われるかもしれない。けれど、警戒心を高めて五感を研ぎ澄ませ、ドキドキ感を楽しみながら歩く。それもまた、ひとつ夜の散歩ならではの面白さではないだろうか。
(文=上浦未来)

東京夜景散歩

眠らない都市ですから。

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最終更新:2010/12/10 18:46
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