トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 海賊版『容疑者Xの献身』が暗示する電子書籍の不確かな未来
"噂の女"神林広恵のナイショの一説

海賊版『容疑者Xの献身』が暗示する電子書籍の不確かな未来

yogisyax.jpg『容疑者Xの献身』(文芸春秋)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。

 作家の村上龍自ら、電子書籍制作・販売会社を設立するなど、何かと話題になっている電子書籍だが、早々に海賊版が出回る、という事件が勃発した。

 しかもこの海賊版小説、人気売れっ子作家の東野圭吾『容疑者Xの献身』(文芸春秋)だったというから驚きだ。しかも「App Store」で……。

 「App Store」はアップルが運営するiPhone、iPadなどに向けるアプリのダウンロードサービスだが、そこにベストセラー作品『容疑者Xの献身』アプリが登場したのは11月初頭だった。値段は115円。だがその内容は、不審だらけのものだったという。

「誤字脱字だらけで、不自然な字間や、文字が追加されている箇所もあったようです。値段も安すぎる。不審に思った購入者が、版元の文芸春秋に問い合わせをしたようです。しかし、文芸春秋側も全く関知していない。そんなアプリがあることも、この問い合わせで知り、大騒ぎになった」(出版関係者)

 もちろん、作者の東野もあずかり知らないという完全な無断販売・海賊盤だったのだ。急遽、販売停止の処置を要請したという。

 厳格と言われる「App Store」でさえ、こんな事態が起こる。今後、楽天や角川グループなど、日本企業も次々と電子書籍業界に参入が予定されているが、こうしたチェック機能がどこまで働くのか。

 電子書籍では、著作権や印税の配分を巡り議論があるが、しばらくは、こうしたさまざまなトラブルが起るのでは、と思わせる一件であった。
(文=神林広恵)

容疑者Xの献身

犯人は誰だ!?

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】
電子書籍なのに手売り販売? ウワサの「電書フリマ」で電子書籍の最前線を体験レポート
世界遺産を「アバター・ハレルヤ山」に変名!? 必死すぎる中国最新海賊版事情
電子書籍時代に”定期購読専門誌”を創刊! 北尾トロと考える、本と雑誌の未来

最終更新:2010/11/11 15:00
ページ上部へ戻る

配給映画