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アニメ版『バクマン。』の制作 は”小学館集英社”? 出版大手二社が手を組む深いワケ

bakumannhk.jpgNHK「アニメワールド バクマン。」より

 10月からNHK教育で放送しているアニメ『バクマン。』を見ていたところ、こんなクレジットに目がとまった。

 <制作・著作 小学館集英社プロダクション>

 ”小学館集英社”!? そもそも集英社そのものが、小学館の娯楽雑誌部門を出自にもつ、いわゆる”一ツ橋グループ”と呼ばれる企業のひとつなので、親子というか親戚というかの関係ではある。しかし、基本的には完全に別個の出版社だった2社が、ひとつの名前にまとまっている。『バクマン。』と言えば、集英社の看板雑誌「少年ジャンプ」の看板作品のひとつ。ジャンプマンガのアニメに「小学館」の名前が出ていること自体が、不思議な感じではある。ましてやこの作品は、実際の「ジャンプ」編集部や実在の編集者がモデルとなった編集者が登場して、主人公たちが「ジャンプ」を舞台にプロのマンガ家として成長していく物語で、最も「ジャンプ」色が強い作品でもある。

 この「小学館集英社プロダクション」、もともとは小学館グループのひとつで、キャラクター事業や教育事業を主に取り扱う「小学館プロダクション」という会社だった。2008年、そこに集英社が出資し、現在の名称に改められたということだ。

 このニュースに、08年当時は「出版社も大型合併か!?」と一部で騒がれたそうだが、いったいなぜ集英社が出資をすることになったのか。小学館集英社プロダクションに問い合わせてみると、集英社出資の流れについては、08年発足当時のプレスリリースの通りとのこと。そこにはこう記されている。

「今後の世界戦略推進と国内における新たなキャラクター&コンテンツの活用をめざし(中略)集英社の出資を受け、一ツ橋グループのプロダクション機能の強化を図ります」
 
結局何をやる会社なのかと言えば、海外出版や、アニメや実写作品の制作や流通、版権の管理などといったもの。ある出版関係者が言う。

「ものすごくスケールが大きい話ではあるのですが、肝心の出版業界の不況が続いていることも理由のひとつかもしれません。世界的な人気作になった『ドラゴンボール』をはじめ、集英社もジャンプを中心にどんどん国内外へのキャラクタービジネスを広げていきたい。ただ、それをあらためてイチから始めるのも、出版界の体力的に厳しいものがある。だったら『小学館プロダクション』という、40年以上前からある老舗にいろいろおまかせしたほうがお互いいいのではないかというところじゃないでしょうか」

 09年には同じく”一ツ橋グループ”の出版社、白泉社も資本参加し、ますますビジネスの規模は拡大しているが、これによって今後、「小学館集英社白泉社」に、さらに変更されたりするのだろうか。

「特に予定はありません」(小学館集英社プロダクション)

 さらには、親会社である小学館と集英社が提携や合併する可能性は、

「予定はありません」(同社)

 ちなみに、この『バクマン。』が、同社による初めての集英社作品のアニメ作品化ということになる。劇中、「やっぱりジャンプじゃないと!」と(アニメではNHKということで、架空の雑誌「ジャック」になっているところが本末転倒的ではあるが)、少年誌ならナンバーワンの「ジャンプ」しかないことがことさら強調されていたりするが、その作品が、小学館との提携作品第1号になるというのもまた、不思議な縁ではある。
(文=太田サトル/「サイゾー裏チャンネル」より)

バクマン。 10

「ジャック」って……。

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最終更新:2010/11/04 08:00
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