受賞はしたけれど……タイミングが悪い映画『悪人』の不運
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モントリオール世界映画祭で、ヒロインの深津絵里が最優秀女優賞を受賞した映画『悪人』が、不運に泣いている。
公開1週目の興行収入ランキングは2位だったが、先週末のそれでは4位にランクダウン。「このまま落ちていくのか、踏ん張れるのかで、『おくりびと』になれるかどうかの分岐点になる」と配給関係者は指摘する。
不運は、深津が受賞したことから始まっているという。映画ライターの話。
「作品が賞を取ったりすれば『おくりびと』のように全員ではしゃげる。『悪人』の場合、主演の妻夫木聡も受賞しなかったため、深津は遠慮をしている。当初から『全員でもらったものですから』というような気配りのコメントをしていましたからね」
映画会社の東宝は当初、すぐにでも凱旋会見が開けるようにホテルの会見場を抑えたが、そこが使われることはなかった。それでも受賞ニュース後の3日後に公開が、タイミングよく迫っていたことに関係者は期待を寄せたが……。
「芸能メディアは連日、押尾裁判で一色で、スポーツ紙もワイドショーも押尾に占領されていましたが、公開初日は土曜日なので、次の日の日曜日はどか~んと紙面をジャックできると踏んでいたみたいです。ところがクレージーキャッツの谷啓さんが亡くなり、ほとんどのメディアで扱いが小さくなりました」(映画サイト記者)
9月21日、外国人特派員協会で妻夫木&深津らが会見し、ハリウッドでのリメークが発表されたが、これまた扱いは小さいままおしまい。
「パリス・ヒルトンが成田で足止めされたり、SMAPの上海コンサートが延期になったり、水島ヒロが事務所を辞めていたりとか、お腹いっぱいなくらい芸能ニュースが入ってきましたからね。取り扱いは小さくなりましたよ」とスポーツ紙デスクも同情する。
良作の評判も多く聞かれる『悪人』だけに、このまま埋もれてしまうのはあまりにももったいない。
妻夫木新境地。
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