賃貸大手エイブルで個人情報漏えい騒ぎ 問われる企業の危機意識
賃貸仲介大手のエイブルに個人情報漏えい騒動が起こっている。
同社を利用した客が、賃貸時の情報を他人に漏らされたと激怒する事態になっている。エイブルと言えば、アパートやマンションの賃貸でお世話になった人も多いかと思うが、一体なにがあったのか。
個人情報を漏らされたと訴えるのは、千葉県内に在住の自営業Aさん。騒動は、エイブルの仲介で約7年ほど住んだ浦安市のマンションを退去したときに起こったのだという。
「地元の知人を通じて、自分が退室時の清算で大家と揉めたなんて噂が広がっていることを知ったんです。ネット上にもそのことが書いてあってビックリしました。揉めた事実はないのに、まるで私が厄介な住人であったかのように言われていたのです。ただ、住所や退去の日時などは合っているので、すぐに噂の出元を調べたんです」(Aさん)
すると、あろうことか、その情報漏えいの震源地が、エイブル浦安店の従業員であるH氏だと判明したというから仰天だ。
「当然、エイブルに調査をお願いしましたが、その後は返答もなく時間が過ぎました」とAさん。
ややこしいのはAさんが仲介を依頼したのは同社の西葛西店で、浦安店には全く接点がなかったことだ。つまり別の店舗の従業員がAさんの個人情報を漏らした疑惑が出てきたわけだ。
「それで先日、そのHと電話で話したんですが、こっちが詳しく話していないうちから”多くはしゃべっていない”とか言い訳しきりで、しどろもどろ。これは怪しいと問いつめたところ、情報を漏らしたことを認めたんです」
AさんによるとHは「知り合いの女性がAさんの同居人だと言ってきたので話してしまった」と”苦しい弁解”をしたというが、Aさんがその女性と同居した事実はなかった。
Aさんはエイブルの情報管理の甘さに呆れたというが、同社のその後の対応もまた酷かったという。
「その浦安店の支店長という人間から電話があり”謝りに行きたいから住所を教えてくれ”というんです。個人情報を漏えいするような会社に今の個人情報を教えるわけがないでしょう?」(Aさん)
退去したとは言え、旧住所がネット上などに漏れてしまったために、Aさんはセキュリティ上、郵便物の転送などもできなかったという。
「揉めて退室した嘘の話は別にしても、住所などが他人に伝わってしまったのはいい気持ちはしません。エイブルに仲介を依頼することは2度とないですよ」とAさん。
エイブルは2年前、架空の物件を広告にしたとして公正取引委員会から排除命令を受けたことがあったが、データの入力ミスだと苦しい弁解をしていた。下手な言い訳はかえって客を怒らせるということを学ぶべきか。
教えて、弁護士さん!
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