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【元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第58回】

郵便不正事件 村木元厚生労働省局長”無罪”で検察はどう責任を取る?

motoki0906.jpg「週刊朝日」9月17日号より

●第58回(8月31日~9月7日発売号より)

第1位

「村木厚子・元厚生労働省局長 いよいよ無罪へ」(「週刊朝日」9月17日号)

第2位
「独占120分インタビュー 菅原文太が聞く永田町の仁義なき戦い」(「週刊朝日」9月17日号)

第3位
「『山本モナ』結婚引退宣言に『たけし』が怒った!」(「週刊新潮」9月9日号)
「『大槻教授』に宣戦布告された怪しい『アグネス・チャン』」(「週刊新潮」9月9日号)
「沢尻エリカCNNサイトで『ウソ泣き』暴露の内幕」(「週刊朝日」9月17日号)

 土曜日(9月4日)朝、われわれの業界では有名人だった親友・猪坂豊一さんが、2カ月近くの入院の末、亡くなった。マスコミ業界はもちろんのこと、大使館にもすごい人脈を持っていた人で、ロシアを始め多くの国の大使には、アポなしでいつでも会えた。外務省にも、これほどの人間関係を持っている人間はいない。享年64歳。惜しい人を亡くしてしまった。

 今週は、腹の立つ芸能人の記事ばかりを集めて書こうと思ったが、小粒な話ばかりなので、まとめて3本を第3位にした。

 沢尻エリカほど腹の立つタレントはいないと思っている。「別に~」事件などはどうでもいいが、その後の生き方が無様である。今回は、米CNNが運営する情報サイトで、「別に~」への謝罪は「ウソ泣き」だったと暴露した。歌った曲が連続でオリコンで1位になったそうだが、歌謡曲みたいで好きじゃなかったと「応援してくれたファンまでバカにする始末」(朝日)。とうに賞味期限の切れた半人前のタレントは、無視するに限る。

 ユニセフ親善大使という肩書をもった元(?)歌手・アグネス・チャンの「怪しいビジネス」におかしいと声を上げたのは、早稲田大学の大槻義彦名誉教授。自身のブログに、「アグネス・チャンとパワーストーン業者の深いつながりがあるという疑惑」と書いて、そこで販売している「風水パワーストーン」は霊感商法そのものだと批判する。また、「五色霊芝」は、その辺に生える「マンネンタケ」で、貧血やガンに効くというのは、薬事法に抵触する可能性があると指摘したのだ。

「彼女がやっているのは、オカルト集団が壺や掛け軸を売りつけるのと同じ霊感商法です」(大槻名誉教授)

 しかも、アグネスの夫で、「チャンズ」の社長・金子力氏は、「すべて私の管理不行届」と平謝り。「新潮」の書いているように、即刻、「ユニセフ親善大使」の肩書は返上せよ。だいぶ前に、某月刊誌でアグネスの講演料のことを書いたとき、社長にまで直訴して、誌面で大々的なお詫びをさせたことがある。講演料なしでボランティアでやっているのを、多額の講演料をもらっていると書いたのならお詫びは当然だが、ハッキリ額は覚えていないが、30万円を50万円と書いたに過ぎない。だが、そのお詫びの仕方が大げさすぎると、社長の逆鱗に触れ、その雑誌はお取り潰しになってしまった。

 モナのことなどどうでもいいが、たけしが怒っているというので読んでみた。その理由は、モナが結婚して引退すると言ったことに起因する。

「モナちゃんだってよ、ウチにまだだいぶ借金残ってんじゃないの?(中略)何たって2回も仕事降ろされてるわけだしな。(中略)カミさんが借金を残して引退したいってんなら、ダンナが代わりに借金返せっての!」(たけしの親しい知人が代弁)

 モナの男好きはビョーキの域に達しているのではないか。大方の見方は、すぐ別れるというもののようだ。まあ、たけしも人間を見る目がなかったということで、諦めるしかないんじゃないのかね。

 14日の代表選に向けて、菅と小沢の舌戦はヒートアップしているが、どちらが勝つかについても、週刊誌対新聞の戦争の様相を呈してきた。新聞は、「民主党代表にふさわしいのは? 菅氏66% 小沢氏18%」(読売新聞9月6日朝刊)と、世論は菅を支持しているとしているようだが、週刊誌のほとんどは、「とうとう小沢総理」(現代)と、小沢楽勝ムードである。

 さらに新聞のいけないところは、見出しと内容が違いすぎるのだ。よく読むと、日本経済をどちらが立て直せるかという質問には、菅37%、小沢36%。政治主導の実現では、菅39%、小沢43%。ねじれ国会を乗り切ることができるのは、菅37%、小沢32%と、ほぼ拮抗しているのだ。

 内容は大同小異なので、小沢のインタビュアーに「仁義なき戦い」の広能昌三役で知られる俳優の菅原文太を起用した、朝日を選んだ。120分も聞いたわりには中身はごく薄い水割り程度だが、小沢の目指しているのは、鳩山や菅と違って、小さな政府だということが分かる。

「約30兆円ある政策的予算(裁量的予算)も、介護や生活保護などをすべて地方に任せてしまえば必ずコストダウンできる。それは、他の政策実現に使える財源が生まれるということです。地方にできることを地方に任せれば、いま国でやっている仕事の半分以上はなくなります」(小沢)

 「ポスト」の「小沢一郎が7年前から書き進めていた『新日本改造計画』仰天の500頁」と併せて読むと、小沢のやりたいことの(できることではない)幾分かは分かろうというものだ。

 「朝日」の「菅VS.小沢『私はこちらを支持する』で、森永卓郎氏、佐藤優氏、岸博幸氏、孫崎享氏が、菅よりも小沢に期待している。私も小沢有利と読んではいるが、その後が怖いというのも本音だ。

 さて、郵便不正事件で逮捕・起訴された村木厚子元厚生労働省局長の判決が、9月10日に下される。「朝日」は、事件当初から、大阪地検の強引な捜査のやり方を批判し、数々の重要証言を取材してきた。

 9月7日には、緊急出版として『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚 村木厚子の445日』(朝日新聞出版)を出す。

 この事件は、政権交代目前だった民主党に狙いを定めて、東京地検が小沢一郎、大阪地検が副代表の石井一を落とす意図を持ってやられたというのだ。特に、大阪地検は、強引なストーリーをもとに、自白を強要し、都合のいい供述調書をつくっていたことなどが、出廷した証人たちから次々と暴露された。ある大阪地検幹部も、「今回はヤバい」と漏らしているという。

 元大阪市助役で弁護士の大平光代氏もこう語っている。

「9月10日、村木さんに無罪判決が下されることを確信していますが、大阪地検には控訴してほしくありません。無実の彼女を逮捕・起訴した上、さらに控訴することは、彼女の人生を二重に奪うことになる。それよりも、どう責任をとるのか、どうやって彼女の名誉を回復するのかを考えてほしいと思っています」

 「朝日」が心血を注いだキャンペーンが、「村木無罪」で実を結ぶのか。だが検察という組織は、そう簡単に自分たちの恥部を見せたり、謝罪したりしないところである。この注目の判決が、検察のこれからを変える可能性がある。注目である。
(文=元木昌彦)

motokikinnei.jpg撮影/佃太平

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか

私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日

隠された真実。

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最終更新:2010/09/06 21:00
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