“雑”なストーリーと絵が最高! 韓国発ロボットアニメ『テコンV』が復活
[徳光正行オススメポイント!]
往年のロボットアニメに共通する”雑”なストーリーと絵が最高!
ロボットの機体部分がマジンガーZを彷彿とさせたり、登場する鳥がディズニーのようだったり、いろいろなアニメのおいしいとこ取りがいいですね〜。ストーリーも絵も雑ですが、かつての『タイガーマスク』や『マジンガーZ』だって、かなり大ざっぱだったはず。そもそもロボットアニメは大味のほうが臨場感や迫力があるんです。また、日本の子ども向けアニメなら、絶対に描けないシーンも散見できます。例えば、主人公のフンとアンドロイドのメリーが仲良くする姿を、フンの恋人・ヨンヒが見て、嫉妬のあまり、メリーと衝突する。その愛憎がきっかけとなり、主人公の父である金博士の死を招く。ほかにも、ロボットが壊したビルのがれきに人がつぶされたり……。あと、テコンドーに対しての愛も感じさせましたね。ロボットで戦うときも、ビームなどの兵器を多用せず、きちんとテコンドーを使う。
いろいろと物議を醸してきた作品でしょうが、これを”パクリだからダメ”だと批判するのは狭量。細かい矛盾に笑いながらも、昔のロボットアニメが持っている魅力を感じてほしいですね。
とくみつ・まさゆき
1971年、神奈川県生まれ。フリーアナウンサー徳光和夫氏の次男にしてタレント。本誌連載のほか、主なレギュラー番組に『ザ・ゴールデンアワー』(TOKYO MX)、『美人塾』(BSフジ)など。近著に『伝説になった男 〜三沢光晴という人〜』(幻冬舎/1260円)。昨年6月、リングの上で帰らぬ人となったプロレスラー三沢光晴氏。彼との、15年間にも及ぶ交流から知られざる素顔を浮き彫りにした渾身のエッセイです。
[宣伝担当オススメポイント!]
日本でも注目を集めた、韓国発の偉大なロボットアニメが奇跡の復活!
テコンドーアクションには思わず目が釘付けに!!日本では、いろいろな意味で注目を集めた同作ですが、子ども向けのロボットアニメながら、かなり重いテーマが隠されています。
まず、敵の親玉となるカープ博士。彼は天才的な頭脳を持っていながら、ほかの科学者たちから大きな頭や小さな体を笑われたことで、悪の道に走っていく。屈折したコンプレックスにより、唯一の理解者であり、彼の身を案じていた主人公の父である金博士を、結果的に死なせるきっかけを作ってしまいました。そして、カープ博士に作られたロボットのメリーもまた、人間に憧れ、心を持たない自分自身に苦悩します。敵役の悲劇性を描いていることで、より深みのあるストーリーとなっています。
実はこの作品、81年にアメリカへフィルムを輸出した際、原板を紛失されてしまったんですが、03年に偶然発見され、延べ1万人のスタッフによって完全復活しました。ぜひ、お見逃しなく!!
(構成/丸山大次郎)
(写真/田中まこと)
(スタイリング/中里智弘)
アニメ映画
『テコンV』
巨大ロボット「テコンV」を完成させた韓国の天才科学者・金博士は、息子・フンの諍いをきっかけに殺されてしまう。テコンドーの達人で心優しい息子のフンは、博士の遺志を継ぎ、テコンVのパイロットになることに決めた。だが、そんな彼の前には、世界征服をたくらむ悪の軍団が立ちはだかる──。韓国で1976年に公開されて以来、国民的な人気を誇るロボットアニメがデジタルリマスター化で復活! 日本でもカルトな人気を誇るコリアンアニメを堪能せよ!!
配給/「テコンV」配給委員会
監督/キム・チョンギ
出演(声)/キム・ポミ、キム・ポヨン
時間/80分
公開/シアターN渋谷ほかで公開中
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