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「秋本治も推奨」は大嘘! 人気コミック『こち亀』がマルチ商法の宣伝に使われていた

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 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で長期連載され、昨年はテレビドラマ化した人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が、ネットワークビジネス、いわゆるマルチまがい商法の宣伝材料となっていたことが分かった。

 『こち亀』を宣伝に使っていたのは、千円札タイプのガチャガチャをネットワークビジネスとして販売していた株式会社マリーンワークの会員たちだ。

 元会員だったN氏が見せてくれた会社資料によると、同社は約32万円する機械本体の代理店登録者を大々的に募集。勧誘人数によってボーナスとして利益から分配金を支払い、成績によって「ダイヤモンドリーダー」など肩書きを設定するなど、典型的なネットワークビジネスの形だったと見られる。

 平成13年に設立されたと見られる同社だが、同年7月に「週刊少年ジャンプ」が掲載した『こち亀』が、偶然にもこの千円ガチャガチャを扱った物語だった。「ガチャガチャコチャゴチャパラダイス!の巻」と題されたストーリーは、主人公の両津勘吉が廃棄されたガチャガチャを拾って、千円という価格設定に改造。商品を高級品にして大ヒットを記録するというもの。実際に千円ガチャガチャを販売する側にとっては、この上ない追い風となったわけだ。

 N氏もその『こち亀』で入会を決めたというひとり。

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「この『こち亀』のストーリーを複製したものを幹部の人から資料と一緒に渡され、『作者の秋本治さんもこのビジネスを推薦している』なんて話をされたのんです」

 こう証言するN氏から実際の資料を見せてもらった。約20ページの漫画のコピーがホチキスで綴じられ、ネットワークビジネスの解説と一緒のファイルケースに入れられていた。

 これについて発行元の集英社に聞いたところ、「全く初耳で、宣伝に使用することを認めたことはない」との返答。無断で利用されたと見られるが、業務のために複製している時点で違法行為の疑いがある。

 このマリーンワーク、過去の日本流通産業新聞では、「紹介販売が好調」と大々的に紹介され、清水道訓社長も顔写真つきで登場していたが、今回の件でパンフレットにある電話番号にかけると、女性が出て「うちはただの民家ですが、その手の問い合わせ電話が絶えない」と激怒されてしまった。

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 N氏によると「会員が増えなくなっても、カプセルの中身を販売し続けるので永久的に続くと説明を受けましたが、実際には会員が増えなくなってきたところで勝手に解散されてしまった」という。

「もう機械が壊れたりしても何のサポートも受けられないんです。連中はそのまま、健康食品とか別の商材でも同じようなネットワークビジネスをやっていたようです。いまもこち亀を見るたびに嫌な気分になる」とN氏。

 『こち亀』には何の罪もないだけに、何とも迷惑な話ではある。

地獄のマルチ商法

オイシイ話なんてないのよ。

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最終更新:2010/07/12 08:00
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