“永遠の子分肌”ダチョウ上島が伝授する 人頼み世渡り術『人生他力本願』
#本 #ダチョウ倶楽部 #上島竜兵
迷惑をかけてはいけない、人に頼ってはいけない、自分のことは自分で。両親や先生から、耳にタコができるほど聞かされた言葉だ。でも、人は迷惑をかけずに生きることはできない。自分の存在が知らず知らず迷惑になっていることだってある。「人はみな 一人では いきてゆけない ものだから」なんて歌もありましたね。古いか。
ダチョウ倶楽部・上島竜兵といえば、「おでん芸」「どうぞどうぞ」など、リアクション芸人の代名詞。イジられてナンボの芸人だ。そんな上島氏が、人に頼る生き方を指南したのが『人生他力本願 誰かに頼りながら生きる49の方法』。14歳の中学生に向けて、「夢」「仕事」「人付き合い」などをテーマに、他力本願な世渡り術を語るというスタイルの本だ。テレビで見るいつもの竜ちゃんの語り口だが、笑いを織り交ぜながらも、飾らない率直な言葉が、氏の誠実な性格を思わせる。ダチョウ倶楽部結成当時や売れない時代のエピソードも満載、カバーイラストはリーダー・肥後克広と、ダチョウファン垂涎の一冊と言える。
章中でも白眉と言えるのが、巻末にある中学生との座談会。中学生の悩みに対して、ぶっちゃけた大人の本音を言い、いじめといじられの違いについて語り、「俺についてアドバイスくださいよ」と逆に中学生に質問する場面も。決して偉ぶらない、”永遠の子分肌”の上島氏だからこそ出来ることだ。「竜平会」など若手が集まりやすい空気の場が生まれるのもその所以だろう。
「これからの人生、主役を目指すだけじゃなくって、誰かに頼りながら生きていく『他力本願」な生き方でいいんです!」(上島)
上島氏は自身を「刺身のツマ」と言う。主役ではないけれど、どんな場面でも脇役は絶対に必要。「他力本願」な生き方は、人のつながりが希薄になりつつある現代に合った生き方だ。高田純次、所ジョージに次ぐラクな生き方の名人・竜ちゃんの処世術を盗んでやろう。
(文=平野遼)
・うえしま・りゅうへい
お笑い芸人。ダチョウ倶楽部メンバー。1961年1月20日生まれ。兵庫県出身。身長162cm、体重83kg。テアトル・エコー養成所、青年座を経て、太田プロに所属。『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)など数多くの番組に出演。06年から、志村けんが主催する舞台『志村魂』にも出演中。
竜ちゃん流・世渡り術
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