みんなで行こう「ヤキマンコ」! 各国の珍地名を集めた『世界でもっとも阿呆な旅』
#本 #タモリ
股ぐらのお毛々もそぞろに生え始めたあの頃、辞書にあるエッチな言葉に線を引いてキャッキャと笑いあった経験はないだろうか? 世界地図で「エロマンガ島」を発見した時、「やっぱりエロ漫画だらけの島なんだろうナァ」と遠き南海の島に思いを馳せたものである。
この『世界でもっとも阿呆な旅』は、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)などで静かに人気の、珍地名を旅するサラリーマン・安居良基(あんきょ・よしもと)氏が、日本及び世界の珍地名を旅した記録をまとめた旅行記だ。ティーンの頃から珍地名に惹かれ、学生時代、オランダはハーグ近郊の”スケベニンゲン”へ訪れたのが、安居氏の珍地名旅行の始まり。
それからというもの、休暇は全て珍地名旅行に費やし、オーストラリア&バヌアツの「エロマンガ」、アメリカの「アホ」、インドネシアの「キンタマーニ」、さらには「プニ」「ハゲ」「チンポー湖」「ヤキマンコ」「シリフケ」「パンティ」「シワ」「チンボテ」「マラ」「クサイ島」などなど、十数年をかけて世界21カ所の珍地名を制覇。「EROMANGA」と書かれた看板の下で、ポーズを決めてニッコリしている安居氏は本当に楽しそうだ。国内も、北海道の「ヤリキレナイ川」、沖縄の「漫湖」など91カ所、世界の珍地名と合わせて計112カ所の珍地名記を掲載している。
アホ、マラ、チンポー湖など、ストレート系はそのものズバリで笑えるし、ヤキマンコというのは焼まんじゅうみたいでかわいらしい。
加えて、安居氏の文章が巧みだ。飾らず、奇をてらわず、土地のデータや由来、旅行の思い出をケレン味なく書いていて、それがかえって笑いを誘う。スナップではあるが、写真も充実していて、安居氏が旅を満喫している様子が伝わってくる。少年のようにはしゃぐ安居氏の姿に、忘れかけていた何かが思い出されるのだ。
気のおけない仲間と行く珍地名旅行は、絶対に楽しいはず。この『世界でもっとも阿呆な旅』で予習をして、自分だけの珍地名を探し、旅しよう。
(文=平野遼)
・安居良基(あんきょ・よしもと)
1973年東京都生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、大学院理工学研究科修了。半導体技術者。ゲーム機やテレビなどの中に入っているLSIの開発を行っている。96年より、会社のまとまった休みはすべて珍地名への旅に費やし、海外・国内合わせて100カ所以上の珍地名を歴訪した。その他の趣味は、80年代のパソコン、スキーの後の温泉、カントリーミュージックなど。
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