不甲斐ない大人たち上等! 現役高校生が作るカルチャー誌「LIKTEN」
#雑誌 #マスコミ #出版
表紙を開けば、原稿用紙に殴り書きの創刊表明。教育者へのインタビューや麻生首相の風刺画、大きくベロを出した女子高生の証明写真などが載り、とにかく大人や社会に対して反抗心むき出しの誌面……。なんとこの雑誌「LIKTEN(リキテン)」は、編集部が全員現役高校生。取材やデザイン、書店営業に至るまで、すべて高校生だけで運営しているのだという。ケータイばかりを弄んでいるとおぼしき若い子が、雑誌に興味を向けてくれているのは、雑誌に携わる身としてうれしい限りだが……。どんな思いがあるのか、編集長の小田明志氏に話を聞いた。
「まず、ぼくらを子どもとしてしか見てない大人に言いたいことがいっぱいあって。ゆとり教育とかの教育法みたいのも、ぼくらのための法律なのに、大人たちが勝手に決めていくじゃないですか。今売ってる雑誌にしたって、広告主とかの顔色を伺ったものばかりで、おもしろいものがあんまりなくて。誰が読むんだ? って思ってた。そういう思いをどうにか伝えたかった。そこで学生だから必要以上の利益を上げなくていいっていう立場を逆手に取りました。言いたいことをちゃんと言って、高校生だってちゃんと社会に対して意見があるんだぞ! っていうのを示したかった」
と、参政権はなくてもあくまでも社会の一員としてしっかり問題提起をしていきたいと語る。
ところが販促時に、彼が私服で書店に行ったら「まったく相手にしてくれなかった」のだという。
「でもその後、編集部の女子が制服で行ったら置いてくれるようになって。結局大人だってわかりやすい。チョロいですよ(笑)」
そう言いながら、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる彼と、「LIKTEN」のこれからが楽しみだ。
(文=陽上 理/「サイゾー」9月号より)
●「LIKTEN]
2009年5月1日創刊。創刊号のテーマは、「政治」。リブロ渋谷店などで取り扱い中。定価は300円。創刊号は完売とのこと。詳しくは編集長の日記で。〈http://yaplog.jp/akac/〉
ヤンキーだけが高校生じゃないよ!
【関連記事】 「生きた”小さなメディア”を作れ」若手評論家が語る「新聞・雑誌の死後」
【関連記事】 サイゾー創刊編集長が過激に提言!<死が迫る雑誌たち>のサバイバル術
【関連記事】 最強批評家タッグが贈る、ゼロ年代総括誌が夏コミに登場!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事