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アシスタント業だけで食っていける? マンガ制作の舞台裏

ashidemeshis.jpg マンガ家に必要不可欠なのが、原稿作成の補助をしてくれるアシスタント(通称、アシ)。あまり表に出てこない、そんなアシの日常が4コママンガで綴られたブログ『アシでメシが食えんのか』が話題を呼んでいる。

 作者はアシ歴4年の葛西さん。ブログを開設した理由について「プロとしてデビューできず、とても暇だったから(笑)」と話すが、現在は、今年8月に「本当にあった『ゆかい』な話」(竹書房)でデビューを果たした身。しかも、ヘルプ扱いでアシ業も継続されているし、ブログのマンガを描くのは大変じゃないですか?

「ブログのマンガは特に下書きもせず、一発勝負で描くようにしています。なので、マンガというより絵日記を描いている感覚に近いんですよ」

 数々のエピソードの中でも、極度の疲労から睡眠障害を来し、睡眠薬の量がどんどん増えていくさまは凄絶だ。

「それよりキツいのは、自分の能力では描けない背景作画を先生から任されたとき。『描けない』なんて言えないので、本当に厳しいです……。ただ、その分、自然と絵はうまくなりますけど」

 ぶっちゃけ、アシだけでメシは食えるんですか?

「はい。週4日で原稿を仕上げる週刊連載のレギュラーアシなら、ひと月に20万円は軽く稼げるでしょう。でも、だからといってアシ業をガッツリやってしまうと、自分のマンガを描く暇がなくなり、デビューが遠のきます(笑)」

 アシでメシを食っていくのも、考えモノなのだ。
(アボンヌ安田/「サイゾー」12月号)

ashidemeshil.jpg上はブログの4コママンガ。「マンガ家を志しているなら、極力アシはやらないほうがいいと思う」としみじみ語る葛西さん。その心は? 「長くアシをやっている人がデビューできる世界ではないから。プロを目指すなら、『アシは3年以内に卒業する!』とか、目標を立てたほうがいいです。エラそうなこと言ってますが、このコメントは4年前の自分に言ってやりたいです……トホホ」(葛西さん)。また、11月21日発売の「本当にあった『ゆかい』な話増刊『どっきりお水スペシャル』」(竹書房)に、「葛西りいち」のペンネームで彼女のマンガが掲載されているので、要チェック!

●『アシでメシが食えんのか』
一人前のマンガ家を目指す25歳のアシスタント・葛西さんが、愛すべきマンガと格闘する日々を、4コママンガ形式で綴ったブログ〈http://ashimeshi.blog17.fc2.com/〉。出版社への原稿の持ち込み体験談や、売れる作家のタイプ、同人誌活動、アシのギャラ事情などにも触れられ、マンガ業界を目指す人はぜひ読まれたし。

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (1)

プロはプロでいろいろと。

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最終更新:2008/12/08 15:00
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