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AKB48だけじゃない!? アイドル“ぼったくり商法”

20080424_akb.jpgファンに経済的負担をかけてでも、販売側は売り上げを確保
したい!?

 2月末、アイドルグループ・AKB48のニューシングル「桜の花びらたち2008」(通常版で税込・1250円)の販売手法が、メディアの注目を集めた。その手法とは、「CDに添付された44種類の特典ポスターをすべて集めると、限定イベントに参加できる」というもの。しかし、このポスターはランダムに添付されており、購入するまでは何が添付されるか不明。そのため、実際に44枚のポスターすべてを集めるのは至難の業なのだ。

 これに対し、ネットを中心に、ファンに多額の負担を強いる「ぼったくり商法」だと非難が集中。これを受けて、販売を手がけるデフスターレコーズは、この手法が「独占禁止法」上の「不公正な取引」に抵触するおそれがあるとして、イベントの中止を発表した。

 この騒動は数々のメディアで取り上げられ、「本当に法的に問題なのか?」が検証された。その結果としては、「独禁法違反かどうかは微妙。『同一商品の複数購入による特典付加』は、法的にはあくまでグレーゾーンであり、明確に取り締まる法律はない」という結論が多かったようである。

 だが、たとえ法的には問題ないにせよ、ファン心理につけ込む要素があることから「倫理的に問題では?」との声も多い、この「ぼったくり商法」。実は、以前からアイドル業界では珍しくない販売手法なのだという。

「92年に結成され、“アイドル冬の時代”を生きたアイドルグループ・制服向上委員会が、その最たる例でしょう。花見や撮影会、キャンプなどのイベントを頻繁に行い、万単位の参加料を設定していました。最近の例としては、モーニング娘。のシングル『色っぽい じれったい』が印象深い。CDに封入された用紙に抽選用の番号が印刷されており、それを用いて指定のサイトから応募、当選すれば握手会イベントに参加できる仕組みでした。何十枚もCDを購入するファンも多かったですよ」(アイドルファン歴20年の男性)

20080424_akb2.jpg「ぼったくり」と批判を浴びた、AKB48の
「桜の花びらたち2008」(デフスターレコーズ)

 最近ではグラビアアイドルもイベントなどでこの手法を取り入れ、「写真集3冊なら握手、10冊ならツーショットポラ」などと特典を付加するのは、もはや常識となっている。

「去年も、アッキーナこと南明奈が、写真集20冊購入でミニデート、なんてことをやってました。最近ひどかったのは、グラビアアイドルの鷲巣あやの。写真集『咲(saki)』発売記念イベントで、ミニデート権獲得のための必要購入冊数に『50冊』(=14万7000円)が設定されてて、さすがに驚きましたね」(アイドルファン)

 違う商品を複数購入する必要があるならまだしも、同一の商品をいくつも購入する必要があるのには、首をかしげざるを得ない。この点に関して、上述した鷲巣の所属事務所・ノーリーズンは、「あくまでファンサービスの一環として、ファンの方に喜んでもらおうとしてやったこと。悪意はありません」と弁解。また、この写真集の出版元である学習研究社は、鷲巣の件について触れることは避けつつも、「編集部でイベントのあり方をさまざまな角度から検討した結果、最近はこのような過剰な内容のものは行っておりません」と、「過剰」であったことは認めた。

 毎週末に多くのアイドルイベントを開催している石丸電気のイベント担当者は、店舗側の見解をこう語る。

「同一商品の複数購入による特典付加は、あくまで小売店としてのプロモーション活動。度が過ぎたことをしてお客様が来なくなれば店としても困るので、モラルの面で判断して、最近は3枚あたりを限度に考えています」

 AKB48騒動によって非難が集中し、最近では自粛ムードにあるこの商法。あるレコード会社関係者も、「より多くの売り上げを望む気持ちはわかるが、そのための手法としては『安易』と指摘されても仕方ない。もう少し気持ち良くファンの方にお金を落としていただく企画を練ることこそ、求められているのでは?」と苦言を呈す。不況感も強まってきた昨今、ファン心理にただ乗りしているだけでは、アイドル業界にも先はない?
(岡沢宏志/「サイゾー」5月号より)

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最終更新:2008/05/21 22:34
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