モー娘。凋落に歯止めなるか? 事務所が狙う“女児向けアニメ”
#アイドル #アニメ #企業
ここ数年、CDの売り上げ低迷など、凋落傾向が指摘されているモーニング娘。らハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)。そんな彼女らが所属する芸能事務所・アップフロントエージェンシーを含むアップフロントグループに、07年、「アップフロントスタイル」なる会社が登場した。事業内容を見ると、声優の育成やアニメの制作などが挙げられており、アニメ関連の会社であることは、間違いなさそうだ。
ハロプロといえばモーニング娘。というイメージが強いが、実は彼女たちの最新シングルCD「みかん」(Zetima)の約3万8000枚に比べ、モー娘。メンバーの久住小春が同時期に“月島きらり starring久住小春(モーニング娘。)”名義でリリースしたソロ・シングルCD「チャンス!」(同)は約4万4000枚と、売り上げ枚数は上回っている。というのも、この楽曲は、久住小春が主人公の声優を担当しているアニメ『きらりん☆レボリューション(以下、きら☆レボ)』(テレビ東京系)の主題歌。同アニメは小学生女児の間で大ヒットしており、古参のハロプロオタクだけでなく、若年層の『きら☆レボ』ファンにもウケたのである。ほかにも07年は“きら☆ぴか”“Buono!”“アテナ&ロビケロッツ”といった、モー娘。、℃-ute、ベリーズ工房などから選抜されたユニットで、アニメ関連のシングルが続々とリリースされ、おおむね売れ行きは好調。こうした動きとアップフロントスタイルの設立は、何か関連があるのだろうか? あるアニメ業界関係者は、こう語る。
「アップフロントスタイル社長の野口隆行さんは、もともと『テニスの王子様』関連のイベントを取り仕切るなど、アニメ業界に顔が広い人物です。アップフロントグループとしては、ハロプロが縮小傾向の中で、すでに『きら☆レボ』の主演声優として唯一オタク層以外にもアピールしている久住小春の路線を推し進めたかったようですが、アニメ業界でのノウハウがまったくない状態でした。そこで、アップフロントグループの重役が野口さんに話を持ち掛けて、新会社が設立されたんです」
そもそも、『きら☆レボ』も当初は久住ではなく、別メンバーに声優の打診が来ていた。しかし、当時、声優としての主題歌を出すために契約しかけたレコードレーベルに「今さらハロプロと組んでも当たらない」と断られたため、いったんは暗礁に乗り上げたという。だが、最終的には久住小春を起用し、楽曲はアップフロント傘下のレコード会社からリリースすることで決着した。これが予想外に成功したことで、今後アニメで利益を得るための体制作りをしているのがアップフロントスタイルというわけなのだ。別の芸能関係者が語る。
「やっぱり、かつてミニモニ。で莫大な利益を得た経験が、アップフロントは忘れられないんですよ。なにしろ、あれはキャラクター関係の権利もあって、純利益が高かったですから。ハロプロは、高額な年会費を取るファンクラブのようなオタク向けのビジネスも進めてるけど、一方では子どもにアピールする手段としてアニメを使いたいんです」
つまり、ハロプロの古いファンからは「太く長く」収入を得ながら、ハロプロエッグなどデビュー前の研修生として事務所に所属する若いメンバーを起用して、若年層のファンを開拓することを目指しているのだという。さらに声優も育成し、アニメ業界で成功すれば、子どもだけでなくいずれはアイドルオタクと声優オタクの両方から収益を得られる可能性もあるだけに、ビジネスとしての魅力は大きい。ただ、先のアニメ関係者はこうつぶやく。
「アニメ業界のバブルはすでにハジけてるから、うまくいくかなぁ(苦笑)」
08年は、アップフロントスタイルも2年目を迎え、そろそろアニメ産業に本腰を入れて臨んでくる頃。アップフロントグループがハロプロの縮小傾向に歯止めをかけられるか、正念場になりそうである。
(宗像明将/「サイゾー」2月号より)
アップフロントグループ
創業は1983年。その後、統合や分社化、社名変更を繰り返し、2001年に現在の形に。複数の芸能プロを抱えるだけでなく、不動産や飲食事業など幅広く展開中。
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