「吉田屋」に「モバーガー」!? アジアのパチもの飲食店事情
#海外 #企業
昨年、偽ディズニーランドとして世界中にそのニュースが配信された中国の「北京石景山游来園」。作りの稚拙なミッキーやドナルドなどのキャラクターたちは世界中から失笑と反感を買った。これに限らず、アジア全土には偽物やパクリが横行しているのは、もはや周知の事実。
このたび、そんな本物、偽物を含む中国、台湾、香港のファーストフード店を、紹介した『ファーストフードマニア』(社会評論社/1890円・税込)なる本が発売された。
本の中には、マクドナルドとケンタッキーフライドチキンを掛け合わせた「マッコンキー」や、牛丼の吉野家そっくりな「吉田屋」、スターバックス風のロゴの「e COFFEE」などなど、本物と間違えて入ってしまいそうなお店がいくつも紹介されている。
「一部はマクドナルドの味を超え、一部はケンタッキーを超えている」とか
肉はややかためで、本家には遠く及ばない。
しかもドリンクはコーラ、スプライト、ファンタと炭酸しかない。
中でも目を引くのが中国にある「モスバーガー」そっくりな「MO BUGER」。実はこのお店、もともとは日本の「モスバーガー」が経営していた正規店。しかし、出店先だったヤオハンデパートが倒産し、「モスバーガー」も中国から撤退するも、その後も店は潰れることなく、食材を現地調達に切り替えて、日本のモスの出資を受けることもなく(無許可で)、「MOS」から「S」の字を消して営業を続けているというから、なんとも商魂たくましい。
『ファーストフードマニア』の編集者である濱崎誉史朗氏は、この本を作ったきっかけを、こう語る。
「幼少期に育ったチュニジアのアメリカンスクールで、『とうとうチュニジアにもマクドナルドが来る!』と大騒ぎになったのですが、できたのは「マクドナルド」ではなく「マクドーリー」。でも、チュニジアの若者の一大デートスポットと化し、おまけに食中毒まで発生して(笑)、それが私の原体験のひとつとなっていました」
アメリカ資本のファーストフードに憧れる国がある裏で、それを当て込んでパクリ店舗で商売する人々もいる。濱崎氏いわく、「資本主義の裏側にある、笑える側面を世間に知ってもらいたかった」という。
同書は今後、アメリカ編やヨーロッパ編、アフリカ編など続々とシリーズ化されていく。これから海外旅行に行かれる人は、パチものファーストフードの味を堪能してみてはいかがだろうか?
(編集部)
【関連記事】 男子諸君に朗報? “冤罪”防止グッズ「携帯用吊り革」誕生!
【関連記事】 史上初! 中国人監督が、日本のタブー“靖国神社”を撮ったワケ
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事